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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/31 18:30:44

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オフ明け、初のスタジオ入り。

朝、沙都から電話があって。

『あ、紅美ちゃん?おはよ。ノンくんが、迎えに行くから一緒に行こうって。』

そう言う沙都の後ろで。

『俺がって言わなくていいっつってんのに。』

ノンくんの低い声が聞こえて来た。


「久しぶりね。しっかり休んだ?」

四人で車に乗って事務所に。

スタジオに入ると、久しぶりのグレイス。

「今日が待ち遠しかったぐらい。」

「それは良かったわ。」

あたし達のデビューライヴは…

ライヴ10日前に告知すると言う…ちょっと怖い売り込み方。

売れなかったらどうするの?って聞いたら…

「他のライヴより安いから、ちょっと覗いてみようかなぐらいの気持ちで買う輩もいるわよ。」

と、グレイス。

…そんなもんなのかな。


ともあれ、ライヴに向けてのリハ開始。

十日ぶりという事もあって、テンションあがる…!!


「紅美。」

三曲目が終わったところで、ノンくんに声をかけられた。

「ん?」

「ボイトレしてたか?」

「え?うん。」

「……」

「何。」

「いや、何でもない。」

…うわ。

気持ち悪い。

何なのよ。

ハッキリ言わなきゃ分かんないじゃん…!!


だけど、たぶん…あたしの今日の歌が、ノンくんは気に入らないって事だよね。

…いや、いちいち惑わされるのはやめよう。

変に力を入れるのも良くない。

今日のあたしに出せる物を出すだけだ。


それから、休みなく10曲通した。

久しぶりに大きな音に触れられて、すごく楽しい!!

耳に入って来るどの音も、愛しくてたまらないと思った。


「あ~爽快。」

沙也伽がタオルを首にかけて、机にまとめて置いてるペットボトルを手にした。

「10日もオフがあると鈍っちゃうかって心配だったけど、変わんなかったね。」

沙都が沙也伽の隣に並んで、水を飲みながらそう言った。

「…変わってないと思うか?」

ふいに…

ノンくんの低い声。

「…え?」

三人でノンくんを見る。

ノンくんはタオルで汗を拭きながら。

「誰も気付いてないのか?」

…ちょっと…変なオーラが出てる。

「……」

「……」

「……」

あたし達三人は、顔を見合わせて。

「気持ち良かった…けど。何かダメだった?」

あたしがそう言うと。

「…おまえ…」

ノンくんがあたしの目を見て。

「…『ラ』がすんなり出るようになってるじゃねーか。」

ニヤリ。と…笑った。

「…え?」

「だから気持ち良かったんだよ。」

「……」

そ…そうなのかな。

そう言われると、今までは何となくシャウトして誤魔化したりしてる部分あったけど…

今日は、楽しくて…嬉しくて…


「メンタルも強くなった。」

「…さっきの、そういう事?」

「そ。」

わざとあたしを惑わそうとしたんだ…?

くっそー…

「でも、変わらなかった。最初から最後まで、いい物聴かせてくれた。」

「……」

ノンくんはギターを置いて、ペットボトルの並ぶ机まで歩くと。

「沙都、沙也伽、コーラスのパート…」

二人とコーラスの話を始めた。


…何だろ。

あたし、成長した…?

何があって、そうなったのか分かんないけど…

「よし。じゃ、それで行ってみよう。」

「オッケー。」

コーラスの打ち合わせも終わって、それぞれ持場に戻る。

「頼むぜ。うちの歌姫。」

ノンくんが通りすがりに…頬にかかってたあたしの髪の毛を、人差し指ではらった。

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