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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/31 17:34:02

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「うおっ…」

朝から曽根が変な声を出した。

「何だよ。」

「いや…だってさ…ほら、見てみろよ…」

曽根が少し照れた顔をしてそう言ってるのは…

たぶん、海のスーツ姿だ。


俺は昨日の殴り合いでみんなに迷惑をかけた分、若干反省して夕べから飯係を買って出ている。

その代わり、俺が飯係になると塩分控えめの薄味和食になる分…

曽根と沙都は、調味料を自分で足すという羽目になる。

海は…ま、30過ぎてるからな。

塩分の摂り過ぎが後々身体に良くないと分かってるからか、俺の味付けに文句も言わず…

文句どころか、『美味い』と言って食ってくれる。

まあ…

ばあちゃん直伝の味だ。

不味いわけはない。

食材の味を生かした料理の良さを解ってない曽根と沙都は、まだまだ味覚が子供だ。

ふっ。


「ほら、曽根、早く座れ。」

立ったままで海に見とれてる曽根に言うと。

「あっ…ああ…ニカ、かっけーな…」

曽根は惚れた女を見るかのような目で、海に言った。

「曽根さん、海くんのスーツ姿、初めてだっけ?」

沙都がお茶を入れながら言う。

「ああ。どこのモデルかと思った。」

「そんなに褒めても何もでないぞ。」

「ニカ、何の仕事してんの。」

「警察。」

あまりにもあっさりと…海が答えた。

「えっ!!警察って…刑事!?」

曽根は必要以上に驚いて、俺と沙都に『知ってた?知ってた?』と、小声で言った。

「刑事とか言うレベルじゃねーよな。いただきます。」

「ざっくり、警察だな。いただきます。」

「ボスだよね。いただきます。」

「…いただきます…」

曽根は目を白黒させながらも、箸を手にした。


「ところで曽根さん、いつまでこっちにいるの?」

沙都が問いかけると。

「一カ月お邪魔しようと思って。」

「は?おまえ、仕事は。」

曽根は大学院を卒業した後、実家の酒屋を手伝う事になった。

と言うのも、このご時世で『曽根酒店』は二号店を出した。

何のウマい話に乗せられたのか分からないが…

親父さんと曽根の二人の兄貴は、似合いもしない洋風な、まるで『シェフか!!』と突っ込みたくなるような制服を着て、新たなる曽根酒店を始めた。

せめて、ソムリエ風なら良かったのに。


まあ…

こう見えて、曽根は頭のいい奴だ。

何とかなるだろう。


「じゃ、家の事頼むぜ。」

俺が海苔を食いながら言うと。

「えっ!!スタジオついてっちゃ駄目なのかよ~!!」

曽根は立ち上がって大げさに言った。

「気が散る。」

「え~!!」

「ライヴに来いよ。」

「え。ライヴいつ。」

俺が曽根に言うと、海が反応した。

「11月15日。」

「チケットいくらだ?」

「10ドル。」

「…安すぎじゃないのか?」

「ペーペーの新人だからな。」

「チケット、どこで売ってる?」

「まだ売ってねーよ。ライヴ十日前に告知するって無謀な売り方しやがる。」

俺の言葉に、海は首をすくめて曽根は『ひー』と小声で言った。

「じゃ、5枚予約。」

そう言って、海は財布から金を出した。

「5枚?」

「ああ。部下と行く。」

「……」

海は招待しようと思ってたけど…

ま、部下と来るって言うなら買ってもらうか。

「サンキュ。」

海から金を受け取る。

すると曽根が。

「ニカ、俺も部下に入れといてくれる?」

海の袖口を持って、小声で言った。

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