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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/31 16:36:58

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「……」

空港から帰る車の中、俺はずっと無言だった。

助手席の華音も、後ろのトシも、だ。


ストリップハウスから帰ると、紅美がいた。

紅美を見た瞬間、現実に戻された気がした。

俺は、ここ数日の男だけの時間を、現実逃避していたかのような気がした。


『何かも捨てる覚悟があったなら、その覚悟を持って最後まで守れよ。』

華音の言葉が痛かった。

…そうだな。

俺は…二階堂を捨てる覚悟はあったクセに、紅美を守る覚悟は出来てなかったのかもしれない。

紅美は強いから、と。

まだどこかで思っているのかもしれない。

だから…選択させた。


本当に強い人間なんていやしない。

自分の弱さを知った時、それに気付きかけたクセに…

紅美にはそれを押し付けた。

…信じたかったのだと思う。

紅美は強い、と。

その強さに助けられ続けて来た。

…俺の甘えに過ぎない。


終わらせたはずなのに、空港で華音が紅美を抱き寄せた時…

かなり…

ムッとしたし、イラッとした。

…なんだ俺。

終わってないじゃないか。

…いや…

終わらせた『つもり』だったのに。

なぜか…さくらさんや華音が、その気持ちを穿り返す。

…だけど、気付いた事もあった。

空港に向かう車の中。

紅美は…自然だった。

自然に話しかけて来て、自然に笑った。

少しは無理をしていたかもしれないが…

あの、タイムリミットを嫌がった時の目とは…もう違っていた。


…紅美は進んでいる。

俺も、そうするべきだ。

あの一緒にいた時間を大切にするためにも…



……待て。

俺、空港でムッとしたりイラッとしたりしたのは…

華音が紅美を抱き寄せたからか?

…少し違う気がする。


『海、飯。』

ドアの外から、華音の声。

「え?」

『飯だよ。早く降りろ。』

…空港から帰って、俺はすぐに部屋に入った。

華音は…飯作ってたのか?


…本当、分からない奴だな。


俺が階段を下りてると、沙都が帰って来た。

「早かったな。おかえり。」

「あ、ただいま。うん。ご飯食べずに帰るって言われて、すぐ送ってったから。」

「そうか。ご苦労さん。」

自分が残りたかったクセに、沙都に運転しろと言った華音。

…俺がムッとしてイラっとしたのは…

『そんな事して挑発しても、おまえは行く気がないクセに』

そう…思ったのかもしれない。


「早く座れ。」

華音に促されて、テーブルにつく。

「いただきます。」

華音がいつも通り、食事を前に手を合わせた。

「いただきます。」

みんなでそう言って、箸を持つ。

さくらさんの影響なのか、華音の料理は和食が多いらしい。

だが、キャベツの千切りの隣にチョコンと置かれたイチゴを見ると、笑いが出た。


「…ん。やる。」

俺がそう言って華音の皿にイチゴを置くと。

「あ?嫌いなのかよ。」

「俺の方が一発多く殴ったから。」

「…思い出すとムカつく。」

「悪かったな。」

「……」

「味噌汁、美味い。」

ああ…

俺…

こいつの事、好きだな。

本当、ムカつく事多いけど。



さくらさん。

ありがとう。


あなたの孫は…


最高ですよ。

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コメント2

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  1. ヒカリさん(99歳)ID:6579807・08/03

    マコトさん
    海くん、素直でかわゆい(*´∀`*)

  2. マコトさん(29歳)ID:6579023・08/01

    きゅーん♡

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