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6年分の恨み。52

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2017/08/03 22:29:13

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寝る前に、大きい体を丸くして、コンタクトを外す姿が可愛かった

可愛くて、愛しくて仕方なかった。

あの人の存在なんて、もう忘れてた。



ビールを飲み干して、ヒロの腕の中に潜り込む

ヒロに腕枕をしてもらいながら、抱きしめられて眠る

気持ちが満たされていく

腕を回すけど、体が大きくて上手く回らない

大きい体に包み込まれて、守られてるみたいで安心した

だけど、どこか虚しい

キスも、それ以上も、騙されてたとしても遊ばれてたとしても、ヒロならいいって思ってた

彼女がいても、ヒロがいないと言ったからそれでいいと思ってた

だけど、やっぱり苦しかった

虚しかった。



朝、目が覚めて

ヒロの腕の中にいる

それが幸せだった

ヒロに抱きつくと、抱き締める力が少し強くなる

目を開けて、ヒロは私にキスをする

深くて優しいキス。

ヒロの腕を抜けて、漫画喫茶にあるシャワールームでシャワーをした

部屋に戻ってファンデーションだけつけると、目を覚ましたヒロは私を見て、「すっぴんでいいのに」と言った。

もう一度、ヒロの元に行くと私を抱きしてくれる

当たり前に、抱きしめてくれる

これで最後かな…そんなふうに考えながら、ヒロの腕の中

この瞬間だけ、本当に、心から満たされているように感じた。


ヒロがシャワーをしている間にメイクをして

服を整えて

部屋に戻ってきたヒロは、コンタクトをつける。

部屋を片付けて、お会計を済ませて

昨日の夜渡った、大きい交差点。

信号が変わるのを待っている間、ヒロが私の手を握る

嬉しくて、ヒロの手を握り返す

信号が青に変わって、手を繋いだまま横断歩道を渡る。

駅に続く階段の前、「ここで」ってヒロが言う。

寂しくて見上げた私の頭をよしよしして

私が何を求めているのか、ヒロはわかってる

小さく微笑んで、ヒロは私にキスをした

お別れのキスみたいで、悲しかったけど

すごく幸せだった

嬉しかった

「またね」

私はヒロにそう言った

「またね」なんて嘘。

もう、会わないと決めていた。

ヒロとは、一緒にいられないと思った。



あの頃、求めるよりも、諦める方が楽だと思った。

求めて裏切られて傷付く可能性があるなら、諦めた方が楽だと思った。

キスをして、それ以上をして、それでも「付き合おう」と言わなかったヒロ

私がヒロを好きだってこと、口にしなくてもヒロはわかってた。

それが、ヒロの答えなんだと思った。


バイト先に向かう電車の中、これで最後のつもりでラインを打った。

「楽しかった、ありがとう」

そんな在り来たりなライン。

返事はすぐに来た。

「俺も楽しかった、また会おうな」

そんな在り来たりな返信。



それからお互いに連絡しないまま、時間がたった。

しばらくして、ヒロから連絡が来た。

12月の終わり頃だった。

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