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番外編・騙す

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テーマ:小説 > 男女関係

2017/07/27 23:19:39

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『きゃっ』

『おっと!』


駅構内の通路で前から歩いてきた女の子と避ける方向がかぶって、女の子はぶつかって派手に転んでしまった。


『だ、大丈夫かい?』


因縁をつけられないかハラハラしながら女の子に手を差しのべた。


『すみません、ありがとうございます。』


素直に手を取って、顔を上げた女の子は綺麗な子だった。
にっこりと笑うと不覚にもドキッとした。


女の子が不細工だったらこんなことしないが
一緒になって女の子の私物を拾った。


『大学生?』

『あ、はい。すみません…私、本当にどんくさくて…』



娘の杏奈も今年の春から大学生になる予定だが
俺に対して愛想も無ければ感謝もない。
むしろ邪魔だと思われてる。




だからか、余計に娘と同年代の女の子が気になる様になった。

ユウキの店に通う理由は薬もそうだが
その辺の俺の性癖も重なって
結果貯金は着実に減ってしまった。



『本当にありがとうございました』

鞄の中の物を全て拾い終え
女の子は深々と頭を下げた。





『いや、いいんだよ。』

『……変な言い方ですけど、ぶつかったのがお兄さんで良かったです。』



長い黒髪を耳にかけながら伏し目がちに言った。


『そんな。こんなおじさんにそんな事言ってくれるの君だけだよ。ははは。』

『そんな事ありません!』

女の子が顔を上げて、少し怒った様に俺を見た。




店の女の子とは違う。
真っ当な女の子。
もし同じ職場にいたら、敷居が高くて声なんてかけられない様な子。


俺はしばらくボーっと女の子を見つめてしまった。



心のどこかで、ヤメロ、目を見るな、騙されてるぞ
ともう1人の自分がブレーキをかける。



『あっ………』

『え?』

『ごめんなさい、コートにメイクが……』


言われて自分の肩を見るとうっすらファンデーションの粉の様な物が付いていた。


『すみません!』

『あ、いいよ。こんなの。』

『そういう訳には………クリーニング代を……』

『いや、本当に。気にしないで。』


言った側から後悔した。
もしクリーニングに出せば、この後もこの子との接点を持てたのに!
連絡先を教えてもらえるチャンスをみすみす逃した。


『………そうですか…』

『こんなのすぐ落ちるよ』



手ではたこうとすると
なんと女の子が俺の手を掴んだ。


急に触られて、心臓が大きく跳ねた。






『擦っちゃダメ。』



いや、その言葉自体は普通なんだけど。
何故かエロい方に変換してしまい、すぐに反省した。




『あの、ちょっとついてきてください。
濡れたハンカチなら綺麗に落ちるかも……』

『あ…うん……』



そのまま手を引いて歩く。


女の子の目指す先は多目的トイレだった。


思わず生唾を飲み込んだ。






『すみません、とりあえず中に……』

『う、うん………!』



淡い期待を圧し殺して一歩踏み出した。


だが、現実はちゃんと現実で。











『残念でした。』


トイレの中には男が二人居た。

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