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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/31 08:56:12

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「紅美ちゃん、ちょっと来て。」

沙都に腕を取られて、あたしは裏口から庭に連れ出された。

何でだろう。

何で…海くんがいたんだろう。

何で…ノンくんと沙都とシェアなんて…


「…大丈夫?」

沙都はあたしを芝生に座らせると、顔を覗き込んだ。

「…混乱してる。」

「…だよね…」

「…どうして?」

あたしの問いかけに、沙都は小さく溜息をついて。

「…さくらおばあちゃんが、連れて来たんだ。」

予想もできない事を言った。

「…ばあちゃんが?」

「うん…海くんの事、変えたいって。」

「…どうして…ばあちゃんが…」

ますます混乱した。

「…それはどうしてか分からないけど、でも…この二日そこらで…海くん、すごく変わったよ?」

「変わった?どういう風に?」

「二階堂の外の事を知ろうって気になったのかな…僕達と同じような事して、楽しいって笑って、ノンくんの歌聴いて泣いて…ちゃんと、オフには鎧を脱いでいいって…気付いたんじゃないかな。」

「……」

確かに…海くんは、休みの日も鎧を着てる人だった。

あたしと一緒にいた頃も、あたしが眠ってる時は…仕事の書類を読んだり、本部に電話したり…

この間の一泊二日は…そんな事はなかったけど。

だけど。

亡くなった一般人の事を忘れられないせいか…

罪悪感の塊のような気はした。

それが…

ここで消されて行ったなんて…

あたしには、そんな力がなかった…って事?

それはそれで、ちょっとショックだけど…


「やめろよ!!」

家の中から、曽根さんの声。

沙都と顔を見合わして家に入ると、まさにそこは一触即発…って言うか、すでに海くんとノンくん、二人とも口元には血。

「や…」

あたしが止めようとすると…

「は~い、もうおしまいにして。」

能天気にも聞こえる声が、玄関から聞こえて来た。

「…ばあちゃん…」

そこには、ばあちゃんが立ってて。

その後ろには…早乙女さんと、沙也伽もいた。

あたしを見付けた沙也伽は、手を合わせてあたしに謝るポーズをしてる。


「空港まで送ってくれる?」

ばあちゃんがそう言うと、ノンくんは無言で車のキーを手にして、海くんは二階に上がりかけたけど。

「あら、みんなで送ってくれないの?」

その言葉に…みんなが凍りついた。

…今バトルがあったばかりで…

「紅美もいる事だし、ちょうどいいわ。みんなで空港まで行きましょ♡」

何がちょうどいいんだ。何が。

あたしは冷めた気持ちでそう思いながらも。

ノンくんと海くんの出方を待った。

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