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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/31 06:47:50

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…何だよこいつ。

何でここに座ってんだよ。

不法侵入か?

「……」

俺は溜息をつくと。

「どーやって入ったんだよ。」

ソファーに座ってる紅美の頭をパコンと叩いて隣に座った。

「…開いてたし。」

紅美は痛がりもせず、低い声で答えた。

「よくここが分かったな。」

「…外に、沙都の自転車があったから。」

紅美の答えに、小さく『あちゃ~…』って声が聞こえた。

海の後にいる、沙都の声だ。

紅美は…自分の足元に視線を落としたまま。


「ま、バレちゃ仕方ない。こういう事だ。」

俺がそう言って立ち上がると。

「こういう事って…何よ。」

紅美は座ったまま、相変わらず低い声で言った。

「シェアしてんだよ。曽根はおまけみたいなもんだけど。」

「あ、どうも…おまけの曽根です…」

曽根が小声であいさつをしたが、紅美は無言だった。


まあ…動揺するか。

状況が把握できてない曽根だけは、みんなの顔を落ち着きなく見回してる。

落ち着けよおまえ。

キョロキョロすんな。

すると…

「紅美ちゃん、ちょっと来て。」

沙都が、紅美の手を取って…裏口から外に出た。

「……」

「……」

「…何なのかな…?」

俺と海が無言でいると、曽根が俺達を覗き込んで言った。

「…紅美と海、デキてた。」

「えっ!!」

「もう終わった。」

「えっ!?」

「本当に終わったのか?」

「え…?」

「おまえも聞いてただろ?」

「……」

「聞こえたぜ。愛してるって言い合ってたのが。」

「……」

「…でも、終わった。」

「……」

「バカじゃねーの。愛してるって言う女を、なんで突き放すかな。」

「それ以上言うな。」

「バカだね。バーカ。」

「おま…」

海が俺の胸ぐらを掴んだ。

そんな事をされたところで、俺の口は止まらないけどな。

「何もかも捨てる覚悟があったなら、その覚悟を持って最後まで守れよ。」

「おまえに何が分かる。」

「あー分かんねーな。俺だったら迷わねーか」

ガツッ。

左頬に一発見舞われてしまった。

「うわっ!!やっやめ!!やめろよ!!」

曽根が慌ててるが…

俺は基本…

やられたらやり返す。


「…おら、殴らせろよ。」

「あ?」

「俺は殴られるような事は言ってない。」

「……」

「何で殴られなきゃなんねんだ。不条理だろうが。」

「ケンカにそんなもんあるか。ムカついたから殴っただけだ。」

「んじゃ、俺も遠慮なく…」

右手を出すふりして左手を出したところで、交わされるのは分かってる。

だから…

足を出した。

「!!」

足を払われた海が転びそうになったところで、胸ぐらを掴んで左頬を殴る。

が…

「ぐはっ!!」

殴ったと同時に…みぞおちに一発もらってしまった。

「…てめぇ…」

「やっやめろよ!!キリもニカも!!」

「うるさい!!おまえは黙ってろ!!」

曽根にそう吐き捨てて、再び殴りかかろうと…

「は~い、もうおしまいにして?」

玄関から可愛い声と共に。

「若い男の殴り合いなんて、すごく刺激的だけど。私、日本に帰るから空港まで送ってくれる?」

ばーちゃんが、首を傾げて俺達に言った。

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