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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/30 21:13:21

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「じゃーなー。」

「え?もう帰るの?」

立ち上がったノンくんに、沙也伽が言った。

「ああ。」

「…沙都も?」

「う…うん…一緒に車で来たから…」

「どこに引っ越したのよ。」

あたしが気になってる事を、沙也伽がズケズケと聞く。

だけど二人は…

「……」

顔を見合わせて。

「何だ。寂しいのか?」

ノンくんが、ニヤニヤしながら言った。

「あー、はいはい。帰って。沙都、時差ボケ早く直しなさいよ。」

え?

沙也伽、食い下がらないの?

沙也伽は、しっしと手で二人を追い払ってあたしの隣に座った。

「んじゃ、明後日スタジオでな。」

「またね、紅美ちゃん、沙也伽ちゃん。」

「バイバーイ。」

「…じゃあねー…」

元気のない声になってしまった。


あたしは…

今夜は、久しぶりにみんなでご飯。なんて思ってたし。

それに…

引っ越し先も、教えてもらえると思ってた。

なのに。

なんで?

それに…

「…沙也伽。」

「ん?」

「引っ越し先、知ってるでしょ。」

「えっ…知らないよ。引っ越したのだって、こっち戻って知ったのに。」

…引っ越し先は知らない…と。

じゃ、何を知ってるのかな。

「あたしが電球換えてる時、ノンくんと何か話してたでしょ?」

「ああ…あれね。あれは…」

沙也伽が上を見た。

考えてる…

「あれはー…」

考えて…

青くなって。

「…ごめん…言えないわ。」

あたしに頭を下げた。

「…なんで?」

「たぶん…その内分かるよ…」

「その内って?」

「……」

「あたしにモヤモヤしたままリハしろと?」

沙也伽は眉間にしわを寄せて、唇をアヒルみたいにして。

「紅美がいじめる…」

泣きそうな声で言った。

「あたしだけ知らない事があるって、気持ち悪い。」

あたしも沙也伽と同じような顔をして言うと。

「…分かった。分かったけど…ノンくんに相談してからでいい?」

そう言って、ノンくんに電話したけど…

「…出ない…」

沙也伽がすごく困った顔してる。

…どんな秘密だ?


「まあ…いいわ。」

あたしは溜息ついでに、そう言う。

沙也伽を責めた所で…どうにもならない。

悪いのは沙也伽じゃないし。

悪いのは…あの男どもだ!!


「まあ…今夜は女二人で外食でもしようよ。」

沙也伽が申し訳なさそうに提案した。

「…そうだね。」


そうして、沙也伽と二人で出かけたカプリで…

「あっ、紅美…えっ、沙也伽ちゃんもー。」

そこで、またもや酔っ払った空ちゃんと。

「おう、久しぶり。」

環兄に会った。

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