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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/30 17:26:01

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「……」

あたしは、途方に暮れていた。

マキちゃんちに二泊して。

夜、アパートに戻ると…

ドアの前に、貼り紙。


『引っ越す。連絡を待て』


この達筆は…ノンくんのだ。

わざわざ筆で書いてくれてるのはありがたいけどさ。

引っ越す?

向かいの部屋のドアを開けると…

ガラーンとして、何もない。

…ここってさ。

事務所が用意してくれたんだよ?

引っ越すって。

勝手に何してんのよ。


あたしは唇を尖らせながら、ノンくんに電話をした。

「…出ない…」

続いて、沙都にも。

「…出ない…」

どうなってんの!!

とにかく、二人にはメールもした。

『連絡して』と、だけ。


一昨日の朝、沙都から電話があった。

『紅美ちゃん、今どこ?』

「え?」

『アパートに戻ったんだけど、ノンくんも紅美ちゃんもいなくて。』

「え?予定より早くない?」

『うん。ちょっと早くこっちに慣れておきたくて。』

そうだ。

沙都は時差ボケしちゃうからな…。

「ノンくんは事務所だと思うよ。」

『そっか。じゃ、僕も行ってみよ。紅美ちゃんは?』

「あたし、友達んとこに泊まりに向かってるとこなんだ。」

『あ…もしかして、マキさん?』

「うん。」

沙都は、ヘヴンのみんなの事を、ちゃんと覚えてくれてる。

『そっかあ、よろしく伝えてね。』

「うん。ありがと。」

『じゃ、こっち戻ったらねー。』

「はーい。」

沙都の明るい声。


ノンくんとは…海くんと別れた夜から会ってなくて。

それが何となく…引っかかってもいた。

もしかして、避けられてる?なんて…

…ノンくんに限って、それはないとは思うけど…


今夜、久しぶりに三人で晩御飯食べられると思って、楽しみにしてたのに。

引っ越したって…何でよ…。


あたしはソファーに倒れ込むようにして寝転ぶと。

「…バカ。」

誰にともなく、そうつぶやいた。

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