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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/29 22:18:09

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歌い終わってギターを下ろそうとすると…

「アンコール。」

早乙女さんがそう言って。

「え。」

「アンコール。アンコール。」

…マジかよ。

結構わさび…きいてるんだけどなー…

でも、なぜか早乙女さん真顔だし。

…断りにくい。


「…もう一曲だけっすよ。」

一応、早乙女さんに釘を刺した。

うんうん。と頷いてはくれてるけど…

酔っ払いだからな…


さて。

何歌おう。

まあ…

この流れだと…あれか。


コホン。と咳払いをして…


「If It's love」


朝起きたらさ、おまえが隣に居る

おかしいな…これはリアルなのか?って

毎朝そんな気持ちになるなんて…夢みたいな幸せって事だよな


もしおまえに悲しみが訪れたら、俺がおまえを殺してやる

おまえを悲しませない

俺が苦しむとしても


それは愛なのか?って、誰もが言うんだ

俺は笑顔で、全力で言うさ

愛だ

いや

愛以上だ

愛以上なんだ


もしおまえに苦しみが訪れたら、俺がおまえを殺してやる

おまえを苦しませない

俺に罰が与えられるとしても


それは愛なのか?って、誰もが言うんだ

俺は笑顔で、全力で言うさ

愛だ

いや

愛以上だ

愛以上なんだ



…歌いながら、泣きそうになった。

選曲ミスった。と思ったが、時すでに遅し。

感情移入するフリして、目を閉じた。


歌い終わって目を開けると…

Live aliveを見てる、早乙女さんと沙都と曽根が泣くのは想定内だったが…

本家様が、流れる涙を拭いもせず…俺を見てる。

「……」

つい、丸い目をして見てしまった。

「あ…」

それに気付いた本家様は、手の甲で涙を拭う。

「あー…おまえ…さすがの遺伝子だな…泣かされた…」

早乙女さんがそう言って、ティッシュボックスを手にした。

「…俺はシャワーしてくる。」

泣いてる野郎ばっかの中にいるのが居心地悪くて、俺はギターを部屋に持って行こうと…

「ただいまー。」

ドアが開いて。

この場に似合わない明るい声で、ばーちゃんが入って来た。

「ばーちゃん…まだこっちいたのかよ。」

「まっ。冷たいわね。」

「いい加減帰れよ。みんな心配してるぜ?」

「大丈夫大丈夫。明後日帰るから。」

ほんとかよ…

ばーちゃん、ほんっとに気分で色々決めちゃうからな…


「あら、千寿さん。いらっしゃい。」

「お邪魔してます。」

「あっ、華音のお友達の…えーと…曽根さん!!」

「当たり。お邪魔してます。」

「わー、楽しい♡やっぱり、もっと居ようかなあ。」

…ほらな。

「ばーちゃん。」

俺が低い声で言うと。

「…分かったわよぅ…」

ばーちゃんは、唇を尖らせて首をすくめた。

可愛く言っても、ダメだ!!

ばーちゃんの登場で賑やかになったリビング。

俺はちゃっちゃとシャワーを浴びて。

「次、誰か入れよ。」

頭にタオルを乗せたまま言うと。

「あ、僕入るー。」

沙都が満足そうな顔をして手を上げた。

「…何食った?」

「ん?おはぎ。美味しくて二個も食べちゃった。」

沙都…

おまえ、カレーもおかわりしてたよな…

デブるぞ?


「これ作ったのよ?食べて食べて。」

ばーちゃんが、おはぎを箸で小さくして。

「華音、はい。あーん。」

「……」

家では…よく、こんな事をされる。

だが…

外ではやるな。と言ってるのに…

マザコンならぬ、ババコンな俺。

当然、早乙女さんをはじめ…みんなが注目している。


「…外ではするなっつってんじゃん。」

目を細めて言うと。

「あっ。ごめーん♡」

「……」

仕方ない。

パクッ。

うん。

美味いのは知ってたが、やっぱ美味い。

「どう?」

「美味いに決まってんじゃん。」

「もー♡可愛い孫♡」

「ははっ。恋人同士に見えてきた。」

曽根がそう言って笑って。

「ほんと?華音の隣に居ても大丈夫なぐらい若く見えちゃう?」

ばーちゃんが調子に乗る。

「おい…」

「いやー…噂に勝るおばあちゃん子だな。そう思うと、華音がむちゃくちゃ可愛く見えてきた。」

そう言って、早乙女さんが俺に抱きついて来た。

「いっ…な…何の嫌がらせですか。」

「俺、おばあちゃん子に弱いんだよ。」

「なんすか、それ。」

「さくらばあちゃん、僕、もう一つもらってもいい?」

「あらっ、まだ食べれるの?お腹大丈夫?」

「美味しかったから、明日の楽しみに…」

「おまえ、太っても知らねーぞ?」

わちゃわちゃと、テーブル周りが賑わってると…


「…華音。」

誰かに、呼ばれた。

この中で、俺を『華音』と呼ぶのは、ばーちゃんと早乙女さん。

だが、ばーちゃんの声じゃなかったし、早乙女さんはおはぎを口に入れて、俺の隣に居る。


「華音、俺にも一つ。」

ソファーに座ったままの本家様が。

俺の目を見て言った。

「……」

周りがみんな、少しだけ笑顔になった気がした。

…『華音』…な。

「あんたでもおはぎなんて食うんだな。海さん。」

俺は箸を手にして、おはぎを一つ取る。

「…呼び捨てでいい。」

「は?年上なのに?」

「おまえには、そうされたい。」

「……」

ばーちゃんが、肘で突いて来た。

まるで…

ほらね。

海さん、華音と友達になりたくなるって言ったでしょ?と言わんばかりだ。


「…ま、ダチに年は関係ねーか。」

俺は首をすくめてそう言うと。

「ほらよ、海。」

海の口元におはぎを持って行った。

「お…おい、大きいだろ。」

「口開けてねーからだよ。入るって。」

俺は海の膝にまたがって、体を固定して。

「いや、待て。そのサイズはむぁっ…!!」

左手で顔を固定して、おはぎを口に押し込んだ。

「あははは!!海くんが変な顔してるー。」

沙都が手を叩いて笑う。

「こっちの方が色男だ。」

早乙女さんが優しく笑った。

曽根はなぜかヤキモチをやいて、隣に来て口を開けて。

「キリ!!俺にも!!」

「バカか!!」

俺に、殴られた。

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コメント2

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  1. ヒカリさん(99歳)ID:6578069・07/30

    ヒロさん
    夕べはいい夢見れましたか?
    私は変なアドレナリンが出て眠れず( ´Д` )
    夢でいい男にまみれる事も出来ませんでした〜。
    今夜はなっちゃんに膝枕でもしてもらって、千里に「甘えてんじゃねーよ」って言われたい←Mか

  2. ヒロさん(45歳)ID:6577658・07/29

    あぁ〜〜楽しかった〜〜🤣もう本当に💕素敵なストーリーをありがとうございます。こんな夢観て寝たいな✨

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