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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/29 16:27:07

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「わりーけど、ちょっとだけ留守番してもらってていいか?」

俺がそう言うと、本家様は。

「ああ、構わない。」

相変わらず無表情…でもないか。

ほんの少しだけ笑顔になりかけた感じで答えた。


急に引っ越したし。

今日は、沙都と二人で紅美の所へ。

確か、沙也伽も戻ってるはずだ。

事務所より、アパートの方がミーティングもしやすい。

人に聞かれなくて済むし。


「よーう。」

階段を上がってると、ドアの前に紅美が立ってるのが見えて声をかけると。

「あっ!!もう!!ずっと連絡待ってたのに!!」

紅美は仁王立ちで俺と沙都を見下ろした。

「貼り紙してただろ?」

引っ越した日…

部屋のドアの前に。

『引っ越す。連絡を待て』

と、貼り紙を残した。

紅美から電話もメールもあったが、一度スルーしたらそれもなくなった。

ばーちゃんから、紅美にはまだ言うなと言われた。

まあ…そうだよな。

動揺するだろうしな。

でも…

いずれは打ち明けなきゃいけねーけど。


俺は平気だったが…

沙都は、紅美からの連絡を無視するなんて。

きっと、軽い胃潰瘍ぐらいにはなってもおかしくなさそうだった。


「ま、見ての通り変わりない。」

「そうじゃなくて。心配してたのが分かんない?」

「…よしよし。」

紅美の頭を撫でる。

「だーっ!!もう!!そうじゃなくて!!」

俺は、唸る紅美の肩を押して、リビングに入る。

「紅美ちゃん、ごめんねー…」

「あんたまで連絡くれないとは…」

「ちょっと、色々あって…」

後ろで、沙都が謝る声が聞こえた。


「おう、沙也伽。」

俺がソファーに座ってると、沙也伽が部屋から出て来た。

「あ、久しぶり。」

「時差ボケあるか?」

「ううん。」

「沙都は昨日まで引きずってた。」

「えー、何回来てんのよ…」

「でさ…」

「うん?」

チラリと紅美を見ると、廊下の電球を換えたかったのか、沙都を椅子に乗せて上を向いている。

「…実は、シェアハウスしてんだ。」

「シェアハウス?誰と。」

「…二階堂本家の、あいつ。」

「……」

沙也伽は口を開けて俺を見て、紅美を見て、また俺を見て。

「…な…なんで…そんな事に…?」

声にならない声で言った。

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