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番外編・紅子の回想①

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テーマ:小説 > 男女関係

2017/07/25 23:55:51

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今から10数年前。


まだ私が精神科医として大学病院で働いていた頃
医局に入った頃からお世話になっていた部長の染谷先生が独立することが決まり
新たに後任の先生を迎えることになった。




『小鳥遊君。
新しく来る先生、ハーフイケメンだから。良かったね』



染谷先生がふくよかなお腹を揺らしてニコニコと笑って言った。

染谷先生が病院を辞めるまであと1週間。
暇を見つけては、散らかり放題の染谷先生の私物の整理を手伝っていた。



『仰る意味が分かりませんが。』

『小鳥遊君はせっかく美人なのに
男に求めるハードルが高すぎだよ。』

『そーだよ紅ちゃん。いい加減俺とデートしよ?』



2つ上の先輩の折原さんは事あるごとに割り込んでくる。

残り少ない染谷先生との貴重な時間なのに。
本当に邪魔。


別に求めるハードルなんて高くない。
程よくだらしなくて、愛嬌がある、優しい人。
染谷先生の指に指輪が無ければ完璧なのに。



『でも、残念ながら菅原先生は既婚者でーす。』

新しく来る先生は菅原先生と言うらしい。




『ですから、何が残念なんですか?』

『はは、冗談抜きに。
菅原先生は沢山論文を発表されて注目されてるし
研究熱心な人らしいから。俺と違ってね。』



最後を自虐で締めるあたり、染谷先生らしい。


『げ、俺とは合わなそう。』

『あー、折原君とはね……
でも小鳥遊君は研究熱心なタイプだから合うと思うよ
頑張って菅原先生についていってみなさいね。』


『………はい。』


寂しさと心細さが入り交じった。


残酷にも時はあっという間に流れ
染谷先生は病院を去り
菅原先生がやって来る日が来た。







『菅原……………なんて読むの?これ。』


医局で到着を待っていると、折原さんが今更ながらの質問をしてきた。


『普通に『ルカ』らしいですよ。ドイツ語圏では良くある名前みたいです。』


『ふーん。そう言えば紅ちゃんの苗字も難しいよね』

『………………………』

読めなかったのは医局ではあなただけです。


『ちょうどいいや、新しい部長様に紅ちゃんの苗字読めるか試してみよう!』


『やめましょうよ…そんな小学生見たいな事…』


そんな馬鹿馬鹿しいやり取りをしてると、医局のドアをノックする音がした。





コンサルの人に連れられて医局に入ってきた男性は
緑がかった明るい茶色の瞳が印象的な人

鼻筋や彫りの深さはさすがにハーフ特有のそれだが
柔和な表情と黒いフレームの眼鏡のお陰で
そこまで外国人くさくない人だった。

それでも、他の女医達は息を飲んで彼を見ていた。

彼に取ってはその視線も日常茶飯事のようで
笑顔で視線を受け止めていた。



余裕綽々で………………なんだか怖い。


それが菅原瑠可の第一印象。

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