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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/27 19:54:47

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ハナオトに諭されて、紅美のアパートに向かった。

だが…なんて切り出そう?

昨日、あれだけ酷い事を言って傷付けておいて…

どの面下げて話がしたい…一緒に過ごしてくれ…なんて…


アパートから少し離れた場所に車を停めて悩んでると。

『おい。』

窓の外に…ハナオト。

「……」

何となく、やな奴に見つかった。と思ってしまった。

夕べは好感を持てたが、今は状況が状況だけに…


「…夕べはどうも。」

低い声でそう言いながら窓を開ける。

「何こんなとこで悩んでんだよ。」

「…昨日の今日だからな。」

「貴重な時間をここで潰す気か?」

「……」

ハナオトは前髪をかきあげて、鼻で笑った。

「ちなみに、さっき出かけてったぜ。」

「えっ?」

「あれは、公園で昼寝スタイルだな。バーク公園行ってみな。」

「…おまえは?」

どう見ても、今日は…

「デート。」

「…デート?誰と。」

俺の問いかけに。

「俺の事なんか気にすんなよ。」

ハナオトは首をすくめた。

…紅美の事が好きだと言いながら…?

それとも、俺に気を使って?


「…もし、今夜紅美が帰らなかったとして…」

「おう。」

「明後日に…日付が変わる頃、部屋の窓際に居てくれ。」

「は?」

「ちゃんと…紅美をそこまでは送り届ける。だが…そこで、紅美に決めさせる。」

「……」

「…俺は紅美のためなら…二階堂を捨ててもいい。」

「……」

「あの時は出来なかった決断だが…今なら出来る。」

俺の告白を…ハナオトは少し斜に構えて…真顔で聞いて。

「それが本心なら、俺はあんたに惚れるな。」

少しだけ笑った。

「ま、さっさと追いかけて、いい時間を過ごせよ。じゃあな。」

ハナオトは髪の毛をかきあげて、そう言うと。

楽しそうに手を振って歩いて行った。

「……」

ハナオトの背中を見送って、バーク公園に向かった。

本当にそこにいるのか?とも思ったが…

何となく、ハナオトは紅美の全てを知ってるような気がした。

少し離れた場所に車を停めて、公園を歩いた。


昼寝をするとしたら…

辺りを見渡しながら、ゆっくりと歩く。


会ったら…なんて話しかけよう…


「……」

いた。

大きな木の下に、仰向けに寝転がって…

顔の上には、文庫本。

…ただの寝顔隠しか。

顔が隠れてても、それが紅美だと分かった。

あの腕、足、髪の毛…

見間違うはずがない。


ゆっくりと近付いて、紅美の頭元に座った。

その気配に気付いた紅美の手が、文庫本に伸びる前に…俺がそれを持ち上げた。

「…海くん…」

「…夕べは悪かった。」

「な…なんで…ここに?」

「アパートに謝りに行ったら、おまえが出て来たから…」

「…つけたの?」

「…声がかけられなくて。」

「……」

紅美は…戸惑っている。

仕方ないか。

昨日までとは…全然違う俺がここにいる。


「…それで…何。もう、いいよ。もう…終わったんだって、ちゃんと分かったし…」

「…考えた。」

「…何を。」

「俺は…終わらせるには、紅美を傷付ける事が正しいって思ってた。」

「……」

「傷は…時間が経てば癒える。俺が悪く思われようが、紅美が新しく誰かと進んで行けるなら…って思った。」

紅美の前髪を指で分けながら、この瞬間さえ…愛しいと思った。

「…俺達には、先がない。」

「…何回も聞いた…」

「だったら、それをお互いが納得して…」

「……」

「ちゃんと、笑って別れる事が出来る方が…」

「って、あたしは言ったよね?」

「紅美はそう言ったが、俺にそれが出来る自信がなかった。」

「…どうしてよ…」

「一度、そうやって終わった事になっただろ?」

「…うん…」

「おまえは、引きずらなかったか?」

「……」

「引きずってたよな。だから、温泉で会った時…あれは失敗だったって思ったんだ。」

「…で?」

「…今度こそ、笑い合って終わろう。そう…言いに来た。」

「……」

「どうだ?」

「今日…一日?」

「今日と、明日丸一日。」

「…じゃ、一泊二日?」

「……期待に応える自信はないけど、泊まりでもいい。」

ずっと…心臓が変な音を立てている。

紅美の表情が読めない。

できれば…明日の夜までずっと…一緒にいて欲しい。

だが、俺は…会うたびに紅美に冷たく接して来た。

今更…一緒に居てくれと言った所で…


「あの海行こ!!」

突然、紅美が立ち上がった。

「え…えっ?」

「ほら!!早く!!」

紅美はバサバサと荷物をまとめると、バッグと俺の手を持って駆け出した。

「……」

「わー!!嬉しい!!」

叫びながら走る紅美の後姿を…

俺は、少しだけ涙が出そうになるのを我慢しながら見つめた。

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コメント2

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  1. ヒカリさん(99歳)ID:6576866・07/27

    ワカコさん
    おー!
    若かりし頃の内田有紀!
    美人さんだ〜!(*´∀`*)

    前回の時は長身でショートカットって事で、榮倉奈々ちゃんってコメントがあった気がします。

    紅美ちゃんじゃないけど、最近銭湯で踊ってる長澤まさみさんを見て、そらちゃんにしよ(*´∀`*)と思いました。←

    私は泉ちゃんもショートカットかな?
    伸ばしたり切ったりしてるけど。

  2. すぅ(ワカコ)さん(102歳)ID:6576853・07/27

    私の中で、紅美はずっとショートカットのイメージです。
    たぶん、この話の中でショートカットのイメージは紅美だけ笑
    ちょうど若かりし頃の内田有紀がぴったりなんですよねーー

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