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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/27 18:50:29

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「富樫を病室から追い出してたらしいけど、あれはヤキモチか?」

ジントニックを飲みながら問いかけると。

「まさか。紅美に分からないように部屋の外にいたなら文句は言わなかったけど、病室に入り浸ってたからな。」

「…紅美は病人だったんだぞ?」

「あいつの性格上、誰かに付き添われるなんて単なる安眠妨害だ。」

「……」

「ま、あんたが深夜に付き添ってた分は…喜んでたろうけどな。」


ハナオト。

おまえ、どこまでも…気持ちのいい奴だな。


「…明日、会う。」

俺がグラスを見たまま言うと。

「…そりゃ良かった。早い方がいい。」

「もし…」

「ん?」

「もし…紅美が…全てを捨てて俺と行くって言ったら…」

「……」

「…連れて行っていいか?」

ハナオトの目を見て言うと。

「…あいつが選ぶなら、どんな道でも構わねーよ。」

ハナオトは、少し伏し目がちになってそう言った。

でも、口元は…少しだけ笑っている。

本当に…

紅美の事、大事に想ってるんだな…


意外と…楽しい酒だった。

こんな風にアルコールを楽しめたのは、久しぶりかもしれない。

…もっとも、ハナオトはどうだったか分からないが。


「別に送ってくれなくていい。」

地下鉄のホームで並んでると、ハナオトはそう言って俺を見た。

なぜか…

見送りにホームまでついて来てしまった。

…興味があるのかもしれない。

桐生院華音という人間に。


「紅美のどこが好きなんだ?」

ポケットに手を入れたまま問いかけると。

「は?何で俺にそんな事聞くんだよ。」

ハナオトは、大げさに笑った。

…酔ってるらしい。

「同じ女を好きな身としては、興味がある。」

少し笑いながら問いかける。

「…悪趣味だな。」

ハナオトはそう言いながらも。

「どこかなー…まあ、声には惚れてる。」

「それ以外は。」

「んー…何にしても豪快な所とか?」

「豪快…」

笑った。

「そうかと思えば…」

「…思えば?」

「すっ…と、入ってきやがる。」

「……」

「で、言いたくもねー事吐かされたりすんだよな…俺、あいつに何回カッコ悪いとこ見せたか分かんねーや。」

なんで…ハナオトに興味が湧いたのか…

分かった。

ハナオトは…

紅美に似てる。


カッコ悪いと言いながらも、それを俺なんかに話して…


「ふっ…」

「ほら、笑うし。」

「いや、おまえ、意外と可愛い奴だなと思って。」

「男に可愛いって言われると、寒気がするもんだな…」

「ははっ。」

車両が入って来て、ハナオトがそれに乗り込む。

「ああ、そう言えば…」

俺が声をかけると。

「あ?」

ハナオトが振り返った。

パチン。

俺は、ハナオトの両頬を挟む。

「…アッチョンブリケ。」

尖ったハナオトの唇を見て、笑った。

「額を叩いてくれたお返しだ。」

「ははっ…しかし、アッチョンブリケ…あんたに言われると、ドキッとするな。」

「え?」

「確保って言われたのかと思った。」

紅美に聞いたのかと思った。

だが…

「あんたがブラックジャックを知ってるのは、何となく驚きだけど…うちでは小さい頃から、それを暗号にして遊んでたから、変な感じだ。」

「…暗号?」

「スパイごっこでな。」

ドアが閉まった。

「誰に?誰に暗号を習った?」

立ったままのハナオトは、何でそんな事聞くんだ?って顔をしてる。

声は聞こえないか…?

『ばーちゃんだよ。』

…ハナオトの口が動いた…

俺の唇、読んだ?


ハナオトのばーちゃん…


…何者だ?

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