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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/27 17:30:52

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「紅美はモテるだろう。」

結局…何となくな流れで、近くのバーに行った。

「ああ。モテるね。」

「近くでそれを見て、イライラしないのか?」

「イライラ?なんで。」

…ハナオトは、おもしろい奴だなと思った。


「誰かに取られないか心配になったり?」

「別に俺のものじゃないし。」

「…自分のものにしたいとは思わないのか?」

「それは紅美が決める事だから。」

「……」

「俺から見たら、むしろ…あんたら想い合ってんのに何やってんだってイラつく。」


俺がこうやって…飲みながら話す相手と言えば…

わっちゃん。

だけど、わっちゃんは医者という立場があるからか…

わりと、話をオブラートに包む。

こんなに、堂々と俺に向かって『イラつく』なんて言うのは、身内でもなかなかない。

それが珍しいからなのか…

つい、ハナオトの話を聞きたいと思ってしまう。


「沙都も、まだ紅美を好きだろ?」

「ああ…途中で他に女作ったみたいだけど、やっぱ紅美かな。」

「君が紅美を好きな事、沙都は知ってるのか?」

「別に言う事じゃないから話してはないけど、俺と紅美…ゴシップ誌に載ったからな…」

「…ゴシップ誌?」

思いもよらない言葉に、笑ってしまった。

「一緒に飯食ってただけだっつーのに。けど、それで沙都が過敏に反応するようになった時期もあるけど…」

「けど?」

「…こんなの聞いて、おもしろいのか?」

「興味深いね。」

「…物好きだな。」

「けど?」

「…俺は、音楽してる時は色恋は蚊帳の外だからな。」

「……」

なるほど。

無駄に何でも出来て、変わり者。

…不器用。


ハナオト。

おまえが本気で落とそうと思えば…

きっと、紅美は落ちると思う。

なのにそうしないのは、自分の気持ちより紅美の気持ちを尊重するから。

何よりも…誰よりも…

紅美を大事に想っているから。


俺は正直…

おまえに妬きまくってたよ。


紅美が渡米したと、わっちゃんに聞いて。

揺れた。

終わらせたつもりで、終わらせれなかった気持ちが…

ずっと胸のどこかで小さな火種のようにくすぶっていて。

だけど、会う資格なんてない。

そう言い聞かせて…気持ちを押し殺していた。


そんな時に…あの事件が起きた。

一般人が怪我をしたと聞いた時は、嫌な思い出が蘇って…平静さを保つのに必死だった。

それが…その怪我人が紅美だと聞いた時は…

震えが止まらなかった。

傷は命を落とすほどのものではなかったにしろ…

苦しかった。

どうして俺は傷付かずに、紅美ばかりが傷付くんだ…と、自分を責めた。


突き放さなくては。

もっと紅美が傷付く。


アパートに送って行った時…

紅美を心配して駆け寄った沙都。

だけど…

ハナオトは、階段の上から、冷たい声で話しかけただけだ。

…おまえだって、人の事冷たい態度だなんて言えるかよ。


その夜、紅美が入院したと麗姉に聞いた。

付き添いたくても…現場がある。

あの時、ずっとそばにいてやれなかった。

朝子には…ずっと付いていたのに…

そんな気持ちにも囚われて。

俺は…昼間は富樫に付き添わせて、紅美の眠っている時間帯に病院に通った。


その全てを…

たぶん、ハナオトは知っている。

富樫が言ってたもんな。

「やたらと、自分を病室から追い出そうとしてました。」

最初は…

妬いてるのかと思ったが…

この様子だと…

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