ブログランキング21

いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

  • 記事数 3549
  • 読者 747
  • 昨日のアクセス数 10250

テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/25 11:50:30

  • 90
  • 0

退院した。

海くんは、あの夜を境に姿を見せなくなって。

すると当然…会う事はなくなった。


ただ、今はバンドの事だ。と、あたしも思ってて。

会えない事はさほど気にならなかった。


あたしは気持ちを伝えたし。


退院して少しずつ…ボイストレーニングを始めた。

しかも…ノンくんがしてくれた。

この人、やっぱちさ兄の息子だなって思った。

何でも一通り出来なきゃ気が済まないちさ兄は…

どんな楽器もこなせる。

サックス吹いてるの見た時は、さすがにビックリしたなあ…。


「よし。だいぶ戻ったな。」

キーボードを片付けながら、ノンくんが言った。

鍵盤も出来るの!?って驚いたあたしに。

コードしか弾いてねーじゃん。ってさらっと言ったけど…

いや、あたしは鍵盤でコードを弾けって言われても、いきなりスマートに弾けません…。


それから、ギターの練習と言うより…特訓もした。

ノンくんと向かい合ってバッキング合戦したり。

普段、あたしはソロを弾く事はないんだけど。

ノンくんのソロパートをあたしが弾いてみたり。


「おまえ、なんでハイポジになると雑なんだよ。」

「えっ、雑?」

「急いでスライドさせ過ぎ。そこはもう少しゆっくりでも間に合うから。」

「…こう?」

ノンくんの言う通りにやってみる。

「もう少し…そ。それぐらい。」

「あー…なるほどね…あたしチョーキング入る前に少しカッコつけてるからさ。」

「それで急いでたのか。」

「うん。」

「ふっ。まずは基本。」

「…はい。」

そうだよね…

まず基本。

あたし、無駄に出来ちゃってたからな…

ずっと基本無視って感じあったし。

いい機会だ。

ちゃんとやっていこう。


「おし。もう一回頭から。」

「うん。」

ノンくんとカウントを取りながら曲に入る。

「裏から入るな。」

「うっ…」

「今んとこ一音少ない。」

「ひー…」


ダメ出しをされながらのそれは、随分と刺激になったし…

負けたくない。

そんな気持ちを強くしてくれた。


誰もが尊敬して憧れる神千里の息子であるノンくん。

出来ないわけがない。

ううん…

下手すると、それ以上の事だって出来ちゃうよ。

だって、今まで全力じゃなかったはず。

それが…これから本気になれば…


「……」

小さく頭を振る。

ノンくんがどうであろうと、あたしはあたしなんだ。

誰かと比べるなんて、意味ない。


…負けたくない。

ノンくんに。

じゃなくて。

自分に。

あたしは、ここまでしか出来ない女じゃない。

もっと出来るはず。

音楽も…


…恋も。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

  1. 1

  2. 2

    MyhoneyCin...

    19時間前

    ひみつの恋。

    まきちむ

    記事数 18504 / 読者数 4156

  1. 3

    When love ...

    7時間前

    リノ

    記事数 782 / 読者数 1679

  2. 4

    私の大好きな人

    10時間前

    出会いから、現在まで

    真琴

    記事数 1082 / 読者数 4391

関連するブログ記事

  1. 36th

    08/05

    『ストーップ。』ノンくんの大声で、音が止まった。DA...

  2. 53rd 40

    11/19

    「よし。『Ugly』やってくれ。」今日も里中さんはスタジ...

  1. 体育会系の彼らは遊ぶとなると全力で気持ちいいくらいバカだっ...

  2. 36th 30

    08/07

    三週間のアメリカ滞在を経て、あたし達は帰国した。沙都の事...

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

2/21 編集部Pick up!!

  1. 付合い辞めたら悲劇のヒロイン化
  2. 子あやし疲れ少し休憩していたら
  3. 「孫依存」の母に振り回される

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3