ブログランキング11

いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

  • 記事数 2473
  • 読者 657
  • 昨日のアクセス数 36386

テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/24 21:45:03

  • 83
  • 0

「紅美。」

「……」

呼ばれて目を開けると…

「おまえ、酷い熱だ。」

そう言って、ノンくんがあたしの額に触れてた。

「え…ノンくん…練習は?」

「もう終わった。沙都と沙也伽は個人練してるけど。」

「あ…勝手に入ったなー…?」

あたしが髪の毛をかきあげながら言うと。

「こんな時にバカか。」

ノンくんは…少し怒った声。


「病院行こう。」

「…大丈夫…このまま寝てたら…」

「今朝寒空で事件に巻き込まて、腕を切られたんだぞ?行って点滴でもしてもらおう。」

「…いいよ…ノンくん…」

「頼れ。」

「……」

「ほら。」

ノンくんは、あたしに手を差し出した。

確かに…

あたし、これ…高熱っぽい。

クラクラする。

「…母さん…は?」

「夕飯の買い物に行ってるみたいだ。」

「…そか…」

「ほら。」

差し出された手を掴もうとすると…

ノンくんは手早く毛布であたしを包んで…

「え…」

ひょい、と。

あたしを抱き上げた。

「この方が早い。」

「……」

気恥ずかしいけど…それよりも…

だるい。

あたしは、ノンくんの胸に体を預けた。


ノンくんは大女であるあたしを抱えたまま、階段を下りて…

タクシーを拾った。

ああ…

何ていうか…

ノンくん…

花冠とか作れちゃうのに…

男の人なんだな…って思った。


「…紅美。」

タクシーの中。

ノンくんが…あたしの耳元でつぶやいた。

「……何…」

「…ごめんな…キツイ言い方して。」

「…どしたの…」

「…反省してるとこ。」

「…気持ちわる…」

「…るさい。」

ノンくんはあたしに額を合わせて。

「…辛いこと…吸い取ってやれるなら、いいのにな…」

らしくない事を…言った。


病院につく頃には、あたしは意識がもうろうとしてて。

ストレッチャーに乗せられたのは…何となく覚えてる…

だけど、そこからの記憶はなくて。

目が覚めたら、病室らしき部屋にいた。

左側に、点滴。

右側に…

「…母さん…」

ゆっくり声をかけると。

「あ…気が付いた?良かった…」

母さんは、ホッとした顔であたしの手を握った。

「ごめんね…買い物から帰ったら、ノンくんから電話がかかって。」

「ううん…あたしこそ…」

「明日、陸さんもこっち来るから。」

「…え?父さん…?何で…?」

「紅美が怪我したって言ったら、二階堂にジェット出せってすごんだみたい。」

「迷惑だな…」

「…ごめんね…ほんとに…大変な目に遭ったのに、紅美は大丈夫って…どこかで思ってたのかも…」

母さんは、あたしの前髪をかきあげるように撫でながら、涙ぐんだ。

「…思うよ…だって、普通に歩けちゃうわけだし…朝ごはんも、残さなかったんだよ…?」

「ふふ…もう…でも…本当は怖かったでしょ?」

「……怖くなかったかな…」

「もう…」

だから…なのかな。

あたしは強いって、思われちゃうのとか…

…可愛くないな。

ナイフ持った男を怖いって思わないとか…

どれだけ鉄人なんだよあたし…。


それから…なぜか。

なぜか、あたしは入院する事になった。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

関連するブログ記事

  1. 18th 29

    06/13

    「…き、華月。」心地いい声に呼ばれて、そっと目を開ける。...

  2. 35th 14

    07/24

    あたしは肺炎と重度の貧血のため、入院を余儀なくされた。翌...

  1. 37th 66

    08/12

    その時あたしは…何が起きたのか、分からなかった。ただ…...

  2. 35th 11

    07/24

    先に歩いてく海くんの背中を見つめながら…あたしは、ゆっく...

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

9/25 編集部Pick up!!

  1. 子あやし疲れ少し休憩していたら
  2. 無意識にマウンティングするかも
  3. FBの幸せそうな投稿見てイライラ

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3