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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/24 20:11:14

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先に歩いてく海くんの背中を見つめながら…

あたしは、ゆっくりと歩いた。

もう、通勤や通学で人が行き交ってて…

たぶん、朝の食卓にあたしがいない…って、ちょっとした騒ぎになってやしないかな…って。

少し心配になって来た。

だけど…

「ああ、紅美!!」

階段を上がる前に…母さんが駆け下りて来た。

「大丈夫なの!?」

「え…?」

「こっちの本部から電話があったのよ。紅美が怪我をしたって…海くん、色々迷惑かけて…」

「迷惑はかかってないけど、あんな時間のジョギングはいただけない。」

海くんは、淡々とそう言った。

…しかも、母さんに。

なんであたしに言わない…?

「じゃ、俺はこれで…」

海くんが帰ろうとした、その時…

「紅美ちゃん!!」

沙都が階段を駆け下りて来て。

「あ…」

海くんを見て。

足が止まった。

…そう言えば、沙都…知ってるんだっけ。

どうして知ったのか…聞くの忘れてたな…。


「…え…えっと…」

沙都は…少しテンパったのか。

「えっと…お、おはよう!!久しぶり…海くん…!!」

変なテンションで、そんな挨拶をした。

「…久しぶりだな。」

「う…うん…」

「……」

「……」

今度はそこへ…

「あっ!!小田切先生!!」

…沙也伽が来た。

つい…額に手を当ててしまう。

「沙也伽ちゃん…それ、懐かし過ぎる…」

沙都が目を細めて苦笑い。

「えーっ、何それコスプレ?マフィアみたい。」

沙也伽…あんた…目が笑ってないよ…。

そうすると…当然…

「紅美。」

階段の上から。

低い声が聞こえて来た。

「……」

海くんが、無言でそこを見上げる。

「…何…?」

「怪我したって、大丈夫なのか。」

「…うん。縫ったけど…平気。」

「ギター、弾けんのか?」

「うん…平」

「無茶するな。」

平気…って言おうとした所で。

海くんに…遮られた。

「せめて三日は安静にしてろ。」

「……」

相変わらず、海くんはあたしを見てないんだけど…

あたしは、海くんを見て。

それから、ノンくんを見て。

それから…母さんと沙都と沙也伽を見渡した。

ど…どうしたらいいの…

沙都なんて、緊張のあまり…泡吹きそうな顔になってる…


「ま、とりあえずご飯にしましょ。海くん、食べてかない?」

か…母さん!!やめてー!!

「いや、遠慮する。仕事に戻らないと。」

「あら、そう?じゃ、ちょっと外まで送ってくから。あんた達、残さず食べるのよ?」

母さんはそう言うと、沙都と沙也伽の背中を押した。

「あ、コート…」

あたしは、肩にかけてたコートを脱いで、海くんに渡す。

その時…かすかに指が触れて…

初めて、海くんと目が合った。

「っ……」

つい…慌てて手を引っ込める。

「…これで新しいの買え。」

海くんは、そう言ってポケットからお金を出した。

新しいの?

ああ…ジャージか。

腕の周り、ザックリ切れて…中に着てたTシャツは血まみれ。


「…要らないよ。」

「心配するな。経費だ。」

「…あ、そ…」

そうですか…と思って、お金を受け取る。

「あ…コート、血がついてないかな。クリーニングに…」

「気にしなくていい。」

「でも…」

「紅美、早く中入って着替えなさい。そんな血だらけのジャージ、嫌だわ。」

母さんに促されて、あたしは中に入る。

…未練がましい…

海くんはあたしを見ないのに。

もっと声を聞きたいと思ってしまう。

それがどんなに…

冷たい声であったとしても…。

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コメント6

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  1. ヒカリさん(99歳)ID:6576206・07/26

    マコトさん
    ありがとうございます☺️
    私も知ってるのにドキドキ!
    て言うか、読み返して「こんなんだったっけ⁉︎」って思う所も…^^;
    そろそろ新しいエピソードを追加しようかな〜⁉︎

  2. マコトさん(29歳)ID:6576006・07/25

    あーーーー(;o;)
    続き知ってるのにドキドキするー!!!

  3. ヒカリさん(99歳)ID:6575667・07/24

    ルナさん
    ありがとうございます☺️
    しかもちょいちょい触れてますもんね…
    片想いの相手に背中に手を添えられたら、私なら腕掴んでどこかでに雲隠れ…

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