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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/07/24 17:28:44

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「日本の方ですか?」

さっきまでは英語だったけど。

車で手当てが始まった途端、日本語で話しかけられた。

「はい。」

「…縫った方がいいと思うので、このまま病院に向かいます。」

えー…縫うの?って思ったけど。

最近は縫う方が傷が薄いって聞いたしな…と思って、言う事を聞く事にした。

「お名前聞いてよろしいですか?」

「…二階堂紅美です。」

「えっ?」

「え?とは?」

「あ…いえ、陸さんのお嬢さんですね?」

「て事は、あなたは二階堂、と。」

「はい。富樫と言います。」

富樫さん。

初めて聞く名前だ。

富樫さんはかなり車を飛ばして病院に向かった。

そして、到着するとすぐさま…

「何としても、傷が残らないように丁寧に縫合お願いします。」

すごく…焦った感じでそう言った。

「あ…あの、あたしがでしゃばったんで…自業自得なんで…」

申し訳ないな…って思いながら、富樫さんに頭を下げる。

「いえ、あなたの勇気ある行動がなかったら、もっと長期戦になってました。お年寄りにあの寒さは耐えられなかったと思います。」

…そう言えば、五人中二人は年寄りだったな…

携帯が鳴って、富樫さんが廊下に出る。

あたしは腕を出して初めて、結構な傷がある事に気付いた。

お医者さんは、手早く…だけど丁寧に縫ってくれて。

幸い痛みもそんなになくて…

だけど、痛みにビビりなあたしは、一応痛み止めをもらって帰る事にした。


あたしが薬をもらってロビーにいると…

「車で送ります。裏の方へどうぞ。」

富樫さんが、そう言ってくれた。

「あ、ありがとうございます。」

…海くんの事…聞いてみようかな…

なんて思ってると。

「富樫、ここはもういい。」

背後から…低い声…と共に。

あたしの肩に、コートがかけられた。

「は。分かりました。ボス。」

顔だけ振り返ると…そこに…海くん。


「……」

声が出なかった。

海くんは、あたしと視線を合わさず…

ただ、背中に手を当てて…車に誘導してくれる。


久しぶりに見た…黒ずくめの海くん…

あたしの心臓…壊れそうなぐらい音…出てない…?


駐車場に出て、海くんは…後部座席のドアを開けた。

…助手席には、座らせない…と。

まあ、いいけど…


おとなしく乗り込んで、おとなしく座った。

海くんは車を発進させて…無言のまま、10分。

あたしが言ってもないのに…アパートの前にたどり着いた。


「……」

ドアを開けられて…無言のままだけど、海くんの顔を見上げた。

すると…

「麗姉来てるんだろ。状況を説明する。」

相変わらず…目は合わさずに。

低い声で、それだけ言うと歩き出した。

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コメント2

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  1. ヒカリさん(99歳)ID:6575664・07/24

    マコトさん
    ありがとうございます☺️
    マコトさんのドキドキは心配ないけど、私のは動悸…

  2. マコトさん(29歳)ID:6575588・07/24

    ドキドキするー!!!!!

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