不器用なわたしたち

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テーマ:小説 > 回顧録

2016/12/01 12:09:54

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「や・やめてくださ!」

力一杯押しのけた。
手の甲で唇をゴシゴシ拭いた。

「色気ないなぁ。」

また近寄って来たのでしゃがみこんで顔を伏せた。

「ごめんごめん。もう何もしないからこっち見て。」

「ほ、本当に?」

頭をワシャワシャされた。

そっと顔を上げると高野さんは優しい顔で見ていた。
無理矢理キスしたくせに!!!

「そんな怒らないでよ。男が迎えに来るって聞いてちょっと妬いちゃった。」

一体どういう事かわからずまだムスっとしていたら

「そんな顔してたらまた無理矢理襲うよ」と近づいてきた。

私は顔を埋めて固く固く体育座りをした。

「嘘だよ。」とケタケタ笑った。

ちょうど長瀬から連絡がきた。
救世主現る!

「あ、あの、か・帰ります。」

大慌てで玄関で靴を履いた。


高野さんはソファに座ってひらひらと手を振った。


エレベーターの鏡で身なりを整えて、長瀬に電話して合流した。

長瀬は自転車を引いていた。

「あれ?酔っぱらってないじゃん。」

「え、あ、うん。。。」

さっきまでの事を手短に話した。

「バカ!だから言っただろ!ほんとどうしようもないわ。」

「。。。はい。」

「で、なんもされなかったの?」

「。。。キスされた」

「自業自得だな。」

「はい。」

「でもその人で良かったよ。普通ならヤラレテルね。」

「ヤラレテルね。」

とぼとぼ歩いて帰った。

いつもの別れ道

「今日は送って行くわ。」

「いいよ。大丈夫。」

送って行くとは言っても家は50メートル先に見えている。

「言う事聞け!」

「はい。」

無言のまま家の前に着いた。

「じゃぁありがと。」

「ん。じゃな。」

長瀬は自転車に乗って帰った。


私は疲れてベッドに倒れ込んだ。

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