不器用なわたしたち

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テーマ:小説 > 回顧録

2016/11/30 22:30:55

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私はプルトップが苦手だ。
いつも開ける時は何かで引っ掛けたり、誰かに開けてもらったりしていた。

この日もちょうど缶コーヒーを買ったから私はポケットから家の鍵を出してプルトップに引っ掛けて開けた。



「何それ。」

「プルトップ苦手なの。」

「開けられないの?」

「開けられなくはないけど、なんか爪が剥がれそうで怖い。」

「今度から開けてやるから言えよ。」

「うん。」


長瀬は缶コーヒーとなにかパンを食べていた。
この人はいつも何か食べているなぁとぼんやり見ていたら

「食う?」
とパンを差し出してきた。

いらないと頭を振りながら

「そろそろ寒いから公園で会うのはやめようか。もし風邪ひいたら大変だし。」

と長瀬に言った。


「そっか。寒いよな。じゃぁ今日で最後な。」


長瀬は残りのパンを一口で食べて立ち上がってパン屑を払い落とした。

もうハーフパンツじゃウロウロできない季節になろうとしてた。

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