グラデーション

夫を裏切りたいわけじゃない。でもあなたに惹かれていってしまう…

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テーマ:小説 > 男女関係

2016/11/20 10:33:26

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「夕飯までには帰る、って言っちゃったから」
「じゃあまた今度」
「うん」

正直、これだけ立場も考え方も違う彼女と、また会う意味はあるのだろうか…。彼女と会ったあといつも、真尋は自分は何をやってるんだろう…という劣等感に苛まれる。


駅の改札に向けて、歩き始めようとした真尋に、紀子はそう誘いかけてきた。

「今度、エステでも行こうよ。会社の女の子に隠れ家的ないいとこ、教えてもらったんだ」
「エステ?」
「うん。まだまだ人生の折り返しなんだからさ、老け込んでいられないじゃん?」
「…高くないの?」
「そうでもなかったよ? いきなり全身は怖いから、フェイスだけから行こうと思って。真尋もやってみようよ」

自信過剰で傲慢なところもある彼女だけれど、真尋に新鮮な風を送り込んでくれるのも彼女だ。

窓を開けた瞬間は、強過ぎて一瞬ひるんでしまうけれど、いったんその風を取り込んでしまえば、中の淀んだ空気が一層されて、新鮮な気持ちになれる。


「いいね」

真尋が言うと、紀子は笑って手を振る。


「また連絡するね」

今日は紀子の家は、一緒に住んでいる彼氏が食事を作ってくれるらしい。

「手の空いてる方がすればいいでしょ、家事なんて」

家庭内でそのルールが適用出来るのは、夫と妻の立場が対等な場合に限られると、真尋は思う。経済的にも、愛情的にも。


(友達を羨んでもしょうがないしなあ…)

慎司が外で働いて、真尋が彼を支えて、家庭を守る。古臭いなあと思っても、その生き方を選んだのは自分なのだ。


(買い物して帰ろう)

冷蔵庫の中に何があったっけ。脳内で買い物リストを作成しながら、真尋は紀子とは反対の改札の方に向かった。

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