グラデーション

夫を裏切りたいわけじゃない。でもあなたに惹かれていってしまう…

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テーマ:小説 > 男女関係

2016/11/20 10:32:29

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そんな風に人の心を先回りしたことを言ってくるのは、紀子の高校の時からの悪い癖だ。

「まさか。ショックだよ」

理想だと憧れていたもの、永遠だと信じていたもの。
真尋の中で揺るぎなかった二人のどろどろした結末を聞かされては、盤石だと思っていた自分の足元まで、覚束なく思えてきた。


「そうなの?」
「当たり前じゃない」
「だから、結婚なんてしなきゃいいのにね」

紀子はまるで、二人の離婚を当然の帰結のように言った。

昔から――それこそ、高校生の頃から、何度も耳にしたことのある紀子の持論だ。


そういう紀子は既婚者ではない。
名を聞けば誰もが知ってる企業で、管理職を勤めてる。

一緒に暮らす恋人はいるのだが、
「子どもいらないし、別に籍なんて入れなくていいし」と本人は、
このまま生涯独身を貫くという。

ちなみに彼女がパートナーだと語る男性は、
真尋が知るだけでも3回は変わっている。

結婚という制度に縛られず、一人でも生きていけるけれど、パートナーとなる男性を選ぶ。

国家資格を持ち、キャリアも積み重ねてきた彼女だからこそ、出来る生き方だ。誰もが出来るものじゃない。


「紀子はいいよね、自由で」

友人との立場と価値観の違いに、溜め息しか出てこない。


「あら、私は自由を得るだけの努力はしてるわよ」
「わかってるよ」

真尋だって、努力していない訳ではない。
ただ、紀子とは、方向性が違うだけだ。


食事のあと、新しく出来た駅ビルを散策し、お茶をして紀子とは別れることにした。


「もう帰るの?」

まだ夕方なのに、と紀子は真尋を引き止める。

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