グラデーション

夫を裏切りたいわけじゃない。でもあなたに惹かれていってしまう…

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/11/19 16:00:31

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「そう言えば聞いた?」

デザートを待っている間に、紀子が切り出す。

「何を?」
「高木くんのとこ、離婚したって」
「え」

すぐに二十年前のクラスメートの顔が浮かんだ。


高木雅人。高校時代の真尋が、密かに憧れを抱いていた人である。
サッカー部のキャプテンで、背も高くイケメンだった彼は、
やはりクラスで一番可愛い成田沙耶という彼女がいた。

社会人になってからも、その交際は続いていて、二人は結婚したはずなのに。
真尋は招かれなかったが、紀子は披露宴にも出席していたはずだ。


「何で? そりゃまあ…夫婦のことは、
夫婦にしかわからないだろうけど」

身を乗り出して、興味津々に聞いてしまった自分が恥ずかしい。
後半はやや冷静になったが、それでも真尋には素通り出来ない話題だ。

「最近流行りのあれよあれ」

タバコを指で弄びながら、紀子はワイドショーのコメンテーターのように、真尋の好奇心を駆り立てる。

「あれって?」

紀子みたいに頭の回転が早くない真尋には、彼女の言わんとしてることが掴めず、首を傾げた。

「不倫」

あっさりと紀子は、答える。

「嘘…っ」
「本当」
「どっちが? どうして…」
「あれ、真尋にしては食いつきいいね。気になる?」
「なるよ」

クラスメートの中で、結婚まで至ったのは、この二人だけだった。


雅人の方に軽い思慕はあったにせよ、お似合いだと真尋も認めていて、理想の二人だと羨んでいたくらいなのだ。

そんな二人が別れることがあるなんて。


「ふーん」

と、紀子自身は大して興味ある風でもなさそうで、食後のたばこをおいしそうに吸いながら、詳しい経緯を教えてくれた。

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