テレーゼさんのブログ

  • 記事数 74
  • 読者 114
  • 昨日のアクセス数 279

何事もなかったかのよう

しおりをはさむ

テーマ:小説 > 官能小説

2016/11/17 17:07:45

  • 7
  • 0

車を降りようとすると、徳が強く腕を掴んだ。


どうした?

本当は分かっている。
どうしたいのか。

......待って......

徳がポケットを弄る。

はい。

そして小さな箱を差し出す。

......受け取れ?

中身が予測できた。
受け取りたくない。

うん。

目の前の小さな箱を見つめる。

ん......

手の上に乗せられた。

とりあえず開けてみる。

......これはダメじゃない?

小さなリング。
しかもピンキーリング。

受け取りたくないかも......

証拠はいらない。

......ダメ?

.....うん.....

どうしても?

.....だって私達の関係があからさまになるでしょ?

.....ダメなの?......

ダメだね。

......そうだね.......

そう言うと徳は箱を窓の外に投げ捨てた。

......徳......

子どもか?!
車から降りて箱を拾う。
そして徳の手に返す。

こうしたって何も変わらない。
私達はこれからもこのまま。
何か必要な訳じゃないの。
会えればそれでいいの。
あなたが私を必要としてくれれば、それで満足なの。

たたみかけるように話す。

私にとってあなたがいなくなる事が一番怖いの。
その証が欲しいわけじゃないの。
会ってくれればそれでいいの。
分かって。

まっすぐ徳を見つめる。

徳の目には涙。
今まで見たこともない表情。

一体何があったの?

徳は話そうとしなかった。

ねぇ....
少し時間が必要?
なら会わないけど。

徳が私を見た。
何かにすがりつくような瞳だった。

.....イヤだ.....

振り絞るような声。
でも、ここで情けをかけるわけにはいかない。

じゃあ、落ち着いたら連絡して。
絶対逃げないから。
必ず、会いに来るから。
いい?

徳を見つめる。

.....分かった。

そう言うと大きなため息をひとつ。

車から降りて歩き始める。
本当は今すぐ抱きしめてあげたい。
ずっと一緒にいたいと言ってあげたい。

でも、それでは元もこうもなくなる。

心を鬼にして立ち去るしか選択ができなかった。

『ごめん。困らせるつもりじゃなかった。』

徳からのメール。

『分かってる、大丈夫だよ。』

こう返すので精一杯だった。

いっそ、何もかも捨てて徳を選ぶ事ができたなら、こんなに苦しい思いもしなかったのかもしれない。
でも、これが私の選んだ道。

迷わない。
迷っても、迷わない。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

  1. 1

  2. 2

    MyhoneyCin...

    4時間前

    ひみつの恋。

    まきちむ

    記事数 17224 / 読者数 3994

  1. 3

    瀬奈

    記事数 602 / 読者数 1966

  2. 4

    未来予想図

    4日前

    幼なじみのハルとまお♡

    まお

    記事数 741 / 読者数 2736

関連するブログ記事

  1. この頃、HYばっかり聴いてた。今までの私なら絶対に聴かな...

  2. この身が滅びるときには箱など必要ない土に返り木々や草...

  1. やっと出てくれた…今、踏切にいるんだ死のうと思ってイヴ...

  2. 先に言っておくと、お買いものの話ですwww.「欲しいなー...

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

4/26 編集部Pick up!!

  1. 「結婚が早い人」に感じる共通点
  2. 妊娠判明したが彼が末期癌と判明
  3. 電車内で妊婦さんが化粧し始めた

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3