ロシェルさんのブログ

  • 記事数 3
  • 読者 0
  • 昨日のアクセス数 0

1,いろいろな予言

しおりをはさむ

テーマ:小説 > 恋愛

2016/11/16 03:20:33

  • 0
  • 0

十代の頃、学校の成績は良くなかった。運動神経も悪かった。書道教室に通っていても字は汚かった。絵も下手だった。取り柄がなかった。とにかく、やらなければならないことが大事だとわかっていてもできなかった。

親も先生も友達も、みんな私のことを問題児だと思っていただろう。

地味で可愛げのないメガネを掛けて・・・・・・・。彼氏なんてできるわけがなかった。クラスメートにはからかわれバカにされた。

心は醜くなっていたかもしれない。


近所に風変わりなオネエサンが季節ごとに里帰りをしていた。オネエサンは問題児の私を話し相手にした。

タバコを吹かしながら私にオレンジジュースを出して、
「飲みなよ」
とニヤリと笑ってくわえタバコにすると自分はバドワイザーの缶を開ける。
バドワイザーはオネエサンの家でしか見たことがなかった。田舎には不似合いだった。タバコはエコーだった。酒とタバコ、どちらかは安い方にしなきゃいけないと学生の私にしょっちゅうおしえていた。

「あんた、学校、つまらないでしょ」

「うん」

「やっぱりね、あんたの顔に書いてある」

「私はなんにもできないし、ブスだし」

「今はね」

「どういうこと?」

「あんた、結構な美人だよ」

「ブスだよ」

「学校のみんながそう言った?」

「うん」

「子どもの言うことなんて間抜けだよ。メガネかけてればブス、太っていればブス、天然パーマならブス。ほんとうの目鼻立ちなんて観察できはしないんだから」

「そうなの?」

「そうだよ、早く大人になりな。あんたには良いことがたくさん待ってる。でも、ちょっとばかり色気がある女になるだろうからだらしのない男にだけは気をつけな」

男?

私にはわけがわからなかった。ブスだのバカだの言われている私が男性と関わるなんて想像もできなかった。

おばあちゃんになって死ぬまで一人だろうから、どうやってお金を稼ごうかとぼんやり考えていたくらいだから。

狐につままれたような思いで家に帰り鏡を見た。冴えない顔だと思った。
でも、どことなく美人な気もした。

翌日になるとオネエサンの言葉を信じている自分がいた。

それから私は内面だけ変わった。私は大人になったら美人になるのだ。それはまだ誰も知らない。学校で私しか知らない。内緒の宝物を持っている気分だった。

窓ガラスに自分の顔が映ると長く見るようにもなった。

でも卒業するまでずっと私はブスだった。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

関連するブログ記事

  1. 1261

    12/24

    そんなあ、美人だなんて。笑いを含んだような声、衝立の隙間...

  2. 私の住むところは、超高齢者だらけ。昔ながらの銭湯がいくつか...

  1. みんなが自分の言う通りに動かないと機嫌の悪い義兄...

  2. あんたみたいに大人しい顔して計算高い女ほんっとに大嫌い。大...

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

5/23 編集部Pick up!!

  1. 付合い辞めたら悲劇のヒロイン化
  2. 育休復帰時既に妊娠3か月の同僚
  3. 子連れに謝罪され感じたこと

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3