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しのぶ

本当の愛は、与えるものでした。

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931 イチニチの終わり

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テーマ:雑感 > 人間関係

2016/11/16 08:22:30

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私の手を確認するように洋平が擦り続けている。

『俺の顔は見たくないか。』

『ううん、見ていたい。離れたくない。それができたなら、こんな思いはしない。
悔しいけど、もう好きじゃないって言えない。

だけどね、私が好きじゃない私は、洋平には見せたくないんだよ。

ふっ、私もカッコつけだね。』

『いいって、わかるから。』

それからそのまま黙って座り込んでいた。
私ばかりが勝手にまくしたてただけなんだけど、憑き物が落ちたような、放心したような。

『腹、減らないか。』

『うん、胃袋も脱力してる。
あ、ダメだよ、仕事場でカリカリしたら。
昼、奢ったくらいじゃもたないよ。』

『うん、だから金ないから、ラーメンくらいかな、食えるのは。』

『私はフレンチくらいは持ってるけど。
フレンチの気分にはなれないね。』

『しのぶ。』

『うん。』

『俺もさ、今更ひとりにはなれない。
しのぶが嫌だって言っても、無理だわ。
我慢してくれるかな。』

『我慢なんかしない。これからも同じように私はグシャグシャになる。』

『そんな時また同じように、なんでもない振りするのか。』

『今さっき、言ったからね。ちょっとスッキリした。だから当分はいいかな。
ううん、正直言えば、それはわからない。
自分にもわからない。』

『うん、俺はわかった。帰るか。』

『帰りたい。』

洋平に手を引いてもらって立ち上がった。

『手、離すなよ。』

『洋平、私、重たいよ。』

『おう、望むところだ。』

途中のコンビニで、サンドイッチと、カップ麺を買って、家に戻った。
静かに静かに歩いて、二階に上がる。

『お湯、沸かしてくる。』

『また空焚きするから俺がやる。風呂入ってこい。顔、酷いことになってる。』

確かに酷い顔だ。ファンデーションが取れて、ところどころマダラになっていて、この顔で喚く私によくぞ吹き出す事なく、話しをきいていたものだ。

それから洋平もお風呂に入って、ふやけすぎたカップ麺を、すすり、ベッドに潜った。

『酷い日だったね。』

『うん、昼、奢ったのは痛かったがな、それだけだ。まあまあだったぞ。』

『明日とか、明後日とか、その先とか、、一緒にいられる?』

『うん、いることに決まってる。だからこの次も安心して喚け。相手になるから。』

手を繋いで眠った、これさえ離さなければ大丈夫、そう思ったから。

喉が痛くなるような激しい声はもう出なくて、
イチニチの終わりは、ボソボソと、でもひとつの安心感が得られたような安堵感で、手の暖かさを感じたままスーッと眠りの中に入った気がする。

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コメント14

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  1. しのぶさん(99歳)ID:5613471・11/17

    カノンさん

    どさくさ紛れに切れた?
    きっかけを作ったのは洋平。
    なんてどこまでも私は傲慢ですかね。
    でも大切な人です。

    ずっと素敵だと言われるように、頑張ります。
    ありがとうございます。

  2. しのぶさん(99歳)ID:5613468・11/17

    カーラさん
    ありがとうございます。

    こんなにゴタゴタばかりの人って、他にもいるんですかね。

    私って、本当にトラブルメーカーです。
    でも暫くは上手くやりますからね。
    見ていてください。

  3. しのぶさん(99歳)ID:5613466・11/17

    ユリエさん

    世の中の男の中で、多分洋平が私をわかってくれる人だと思うのですが、
    男には変わらないのでそこそこイラつきます。

    男と女、絶対に感性がちがいますね。
    でもだからいい時もあって。

    ありがとうございます。

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