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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/11/14 16:54:56

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11月15日 夜5

桐生院知花


「…連れてって…」

そう言って千里の首に腕を回して抱き着くと。

「しゃーねーなあ。」

千里はすごく…そっけなくそう言った。

…もうっ。

あたし…

本当は、もう…酔いからさめてるけど…

酔った勢いって事にして、思い切って甘えてるのに…


はっ…

もしかして…

いくらなんでも、年甲斐もなくって思われてるのかな…

…そうだよね。

きっと、そうだよね…!!


「…知花?」

千里から腕を離して歩こうとすると。

「おい、無理するな。足がふらついてる。」

千里が腕を取った。

「へへへへ平気…」

「いいからつかまれ。」

「いいいいいいいい。」

「ははっ。何言ってんだおまえ。」

平気なつもりなんだけど…やっぱり…あたし、まだ酔っぱらってるの…?

千里は、千鳥足みたいになってるあたしの足をすくうと、軽々と抱き上げた。

「……」

「何だよ。」

「…ライヴの後なのに…」

「おまえぐらい、いつでも抱えられる。」

「…若くないのに…」

「ジジイになっても、抱える気でいるけどな。」

「……」

「さ、歯磨き歯磨き。」


…何だか…千里は楽しそうで。

「ほら。」

洗面所であたしを降ろすと、新しい歯ブラシを棚から出して来て、それに歯磨き粉を付けてあたしに持たせた。

「…ありがと…」

「磨けるか?」

「…うん…」

そんなあたしの隣で、千里は…

「♪~…」

鼻歌しながら…歯磨きを始めた。

「……」

千里が…鼻歌しながら歯磨きって…!!

やだ!!

貴重過ぎて、あたしが動揺しちゃう!!

「うおっ。あんあお、おあえあー。」

えっ?て思うと、あたしは動揺のあまりなのかどうか…だらだらと歯磨き粉を口の中からこぼしてて。

それを千里が、歯ブラシをくわえたままで…拭いてくれたり…顔をぐいっとされて歯を磨かれたり…

仕方ないから、あたしは…だらーんと両手を下におろしたまま、千里にされるがまま…あーんってして…歯を磨かれた。

「……」

客観的に…今のこの姿を想像すると…

…は…恥ずかしい…

あたし、酔っ払って、旦那様に歯を磨いてもらうなんて…

ああっ!!もうっ!!

どこかに隠れてしまいたいー!!


「ん。」

歯ブラシをくわえたままの千里が、あたしにコップを差し出す。

あたしは言われるがままにそれを手にして、うがいをする。

それを見届けて…千里はまた…

「♪~♪~…」

…鼻歌まじりに、歯磨きを始めた。

あたしがそんな千里をマジマジと見てしまうと…

「……」

千里は一瞬鼻歌を止めて、それからうがいをして…ついでに顔も洗って…

「タオル。」

「…はい…」

ガシガシと顔を拭いて…

「ベッド行こうぜ。」

そう言って、あたしの顎を持ち上げて…小さくキスをした。

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