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ファーストタイム ⑨ (花エク)

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テーマ:小説 > 官能小説

2016/11/12 20:36:46

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ピッ…ピッ…ピッ…


機械音が響く、
ハルの寝室ーーーー。


輸血と点滴を打たれた、
顔面蒼白のハルの横顔が、
凄く綺麗で、哀しくて…。


アンネは、手を握りながら、
零れ落ちる涙を止めることが出来ず、
時折嗚咽交じりの声をあげていた……。














ーーーーーーあれから。




すぐに待機していた医師によって、
ハルの傷口を塞ぐ大手術が行われた。

何とハルは、メフィストと決着を付けるために、
あえて傷口を塞がず、仮死状態になって地獄の門へと向かったと言うのだ。



『一歩間違えれば、即刻死が待っていた』


手術を無事成功させ、
廊下で待機していたアンネとヨハン、そしてレイに、
医師は、恐ろしい顔でそう伝えて来た。


『…大変、無茶を…。
私の主人が、無理なお願いをしてしまい、
申し訳ありませんでした。
命を助けて下さり、本当に感謝の気持ちしかございません。
ありがとうございます』


レイが、涙を流しながら深々と敬礼し、そう訴えていた。
医師は、ふぅ…とため息を吐くと、
今度はアンネの方を向いた。


『アンネ様、ハル様は恐らく、目を覚ましたらあなたを探されるでしょう。
どうか、目覚めるまで側に付いていてあげて下さい。
…あなたが本当に、
大切で仕方ない様ですから…』


優しくそう言うと、アンネの肩にそっと手を置き、
医師の客室の方へ戻って行った。


「…部屋、入ろう。
廊下は寒いから、アンネちゃん風邪引いちゃう」


ヨハンは立ち尽くして動けないアンネの肩を持ちながら、
ハルの寝室へと促したのだーーーーーー。








「……ハルは、大丈夫だよ。アンネちゃん」

「ヨハン…」

「ハルの並々ならぬ執念は、
何年も苦楽を共にして来た俺が1番よく分かってる。
アンネちゃんを置いて死んじゃう程ヤワじゃない。
だから、まだ目が覚めてないから不安だろうけど…
信じてあげて」


ヨハンの、こんなに真剣な語りは初めてだった。
アンネは涙をぬぐいながら、ヨハンに微笑んだ。


「ヨハン…あなたが来てくれなければ、
私たちはきっと、地獄の門の前から動けずに、永遠に彷徨ってたわ。
助けてくれて本当に…ありがとう…」


「どういたしまして。アンネちゃんとハルの為だからね。
この借りは、…そうだな、
今度元気になったハルに返してもらうとするよ」


ふぁ〜あ、と、伸びをしたヨハンが、
ふと違和感を感じて動きを止めた。










「あ、アンネちゃん…!!
痣が…消えてるよ…」



「え……、、

あ…!
ほ、本当ですわ…!!」


腕にあった、痣…

胸に、
お腹に、
背中に…


全身に広がりかけていた、
忌々しい痣…



17年。
長い月日、ずっと刻まれていた、
大悪魔メフィストの刻印ーーーーーー。


それを倒した今、
アンネは遂に、メフィストの呪縛から解かれたのだ。


喜びと戸惑いでアンネが混乱する中、




ゆっくりとハルの目が開いた…。

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