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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/11/13 14:53:26

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11月15日 夜3

桐生院華音


「カノンさん。」

F'sのライヴの後、母さんを事務所に残して家に帰ろうとしたが…

何となく、寄り道がしたくなった。

何となく。

本当に、何となく。


それで、一人でダリアに寄り道すると…声をかけられた。

振り向くとそこには…

「あ。」

「こんばんは。」

「えーと。」

「お忘れですか?」

「覚えてるよ。えーと…杉乃井幸子さん。」

以前俺が出演したラジオ番組の、パーソナリティー。

『サリー』こと、杉乃井幸子。


「ふふっ。正解。嬉しいです。お一人ですか?」

「ああ。」

「お隣、いいですか?」

「ああ…どうぞ。」

俺は少し体を左に寄せた。

密着して座るほど、親しくはないからだ。


「F's、最高でしたね。」

コーヒーを飲みながら、杉乃井幸子が言った。

「行ってたんだ?」

「はい。一階の真ん中辺りに。」

「一階の盛り上がり方、尋常じゃなかったね。」

「凄かったです。だから…何だか帰りたくなくて。ライヴの興奮を誰かと分かち合いたいーっ!!って、ここに来てみました。」

「で、俺がいた…と。」

「ラッキーです。」

興味のない女の事は、いちいち調べない。

だが、この杉乃井幸子は…俺が番組に出る立場だったから、調べた。

俺より一つ年下。

バンド歴はないが、音大卒。

いい耳をしていそうだ。

そんな人間になら、評価されても惜しくはないと思った。

何も知識がないのに語られるのは好きじゃない。

…腐っても、俺はミュージシャンだ。


「写真撮れた?」

杉乃井幸子がスマホをテーブルに置いたのを見て、頬杖をついて問いかけると。

「アンコールになってからは、スマホの存在完璧に忘れてました。」

杉乃井幸子は首をすくめて笑った。

今日は撮影OKのライヴだった。

とは言っても、俺は何も撮ってないが。

写真や動画を撮る暇があれば、その分集中してステージを観て音をしっかり拾いたい。

今日は…朝霧さんとアズさんのテクニックもだが、パフォーマンスもしっかり勉強させてもらった。


「そうは言っても、それまでに撮ったのも五枚ぐらいですけど。」

杉乃井幸子がスマホを手にして、カメラロールを開いた。

そこには親父とアズさんが絡んでるショットや、映と朝霧さんのショット…

「…構図上手いね。」

「ほんとですか?嬉しい。ありがとうございます。」

いや…本当に。

このまま雑誌に使えそうな写真だ。


「……」

杉乃井幸子の撮った写真は、全部で六枚だった。

その中の五枚が…親父だ。


別に…関係ない。

関係ないが…少し嫌悪感が胸の奥に広がった。

親父に罪はない。

むしろ被害者だ。

なのに…この感情は何だ?

杉乃井幸子を見ていると…

栞を思い出す…。


「…大事にしてます。」

ふいにそう言われて、何の事か分からず無言で首を傾げると。

「カノンさんのサイン入りだから。」

杉乃井幸子は上目使いで俺を見ながら、スマホの裏側を見せた。

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コメント6

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  1. ヒカリさん(101歳)ID:5599333・11/15

    ワカコさん
    いつかはいい子にしてあげたいです(*´∇`*)

  2. ヒカリさん(101歳)ID:5599332・11/15

    ソフィーさん
    計算なのか、素なのか⁉︎
    ハンターには間違いない⁉︎

  3. ヒカリさん(101歳)ID:5599331・11/15

    ルカさん
    モヤモヤ開始ー⁉︎

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