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Hypnotic

藤田先生と千晴編。

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/11/10 20:28:31

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ローンの残るこの家に一人。
内装だって、詩織の望むとおりにした。
アイランドキッチンがいいだのなんだの、和室は小上がりにしたいだの。
子供部屋はここだね、なんて話したりしたその部屋は、今は物置だ。

全て要望を実現したはずのこの家を、詩織は躊躇せず出ていった。

俺も、売り払って出て行ってもいいはずなのに、物ぐさなのが災いして、いまだ住み続けている。



この家に上がった生徒は二人。
白川と……、もう一人は浅野だ。



学園が初めて女子生徒を受け入れた年。
女子の入学生徒数が少なかったこともあり、教員側には想定していたほどの混乱もなく過ごしていた。

気になったのは、一人の男子生徒。
入学当初から、人を見下し、世の中に失望しているような目つきをする浅野を、俺は放っておけなかった。


浅野は両親が不仲である影響をまともに受けていた。
小学生までは、真面目な子だったらしい。小さい頃の夢は、父親の職業である医師だったそうだ。

ご両親もきっちりした方だという事は知っているが、実際の家庭生活まで立ち入っているわけではない。


休みがちな浅野の家に寄って帰る日が続いた。
母親はたびたび遠い実家に帰っていた。金は置いてあり、食うものには困っていなかったし、家の掃除は行き届いていた。


最初は浅野も警戒して俺の事を受け入れなかったが、学校に来た時は、ぽつりぽつり俺に話しかけてくるようになった。


「先生、なんで離婚したの」


そんなことを聞かれ、イラッとしながらもバカ正直に経緯を話した。
浅野は、まっすぐ俺を見ながら話を聞き、俺が話し終えると、考え込むような顔をしていた。

「ふぅん。……じゃあ、俺がいなかったら、俺の両親は別れられてたのかな。俺のせいで、別れられないのかな」


高校一年生。
子供ではないとは言え、まだ、子供でいたい部分もあるはずだ。

そんな時期に、そんな疑問を抱かせる両親に、静かに憤りを感じた。

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