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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/11/10 14:38:29

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「…俺自体は…結構身軽です。」

立ってるのもやっとな精神状態だが、真っ直ぐに体を伸ばして…高原さんを見据えて言った。

「ですが、病気がちの両親もいます。だから今までも休まずやって来たわけじゃありません。」

高原さんは腕組みをして、俺の話を真顔で聞いてくれている。

「それに…俺は今の仕事が好きです。すごく満足しています。アメリカから帰って…細々と仕事をしていた俺をここまでにしてくれた高原さんには、本当に感謝していますが…その要望にだけはお応えできません。」

「…どうしても、か?」

「どうしても、です。とてもじゃないけど、俺はそんな器じゃ…」

俺が少しうつむいてしまうと。

まるで、それを待ってましたと言わんばかりに高原さんは立ち上がって。

「オタク部屋には通ってもいい。今まで通り、卓にもついてもらう。プロデューサーもエンジニアとしても活躍しまくってもらう。」

「え?」

まるで、夢みたいな条件を…高原さんが出した。

「家も事務所の近くに用意する。親と一緒に引っ越せ。」

「はっ…?え?」

「おまえに大きな肩書をつけたい。おまえには、それほどの才能がある。部下たちの言う『人が良過ぎる』うんぬんじゃない。俺がおまえの、エンジニアとしての才能を買って言ってる。」

「……」

さっきまでの動揺が…感動に変わってきた。

俺には、それだけの価値があるんだろうか。

だけど、これだけの…

俺が尊敬して止まない人たちが、俺を評価してくれてる。


「…さくらさん。」

俺はさくらさんの前に立って。

「俺で…役に立ちますか?」

新会長に抜擢された、さくらさんに問いかける。

「え…えっ…?なんであたしに~…?」

当然、さくらさんは困った顔だ。

だけど…高原さんは望んでるんだ。

さくらさんと俺のタッグで…ビートランドが新しく生まれ変わるのを。


「……分かったわよぅ…だけど…みんな、ちゃんとフォローしてよ…?」

さくらさんが控室の中を見渡して言うと。

「もちろん。」

「頑張って下さい。」

「楽しみやな~。」

「これいつ発表する?」

それぞれ、そんな言葉が飛び出して…

神が、俺に手を差し出した。

「……ったく…おまえはー…」

俺がその手を乱暴に握り返すと。

「頼むぜ、健ちゃん。」

神は、不敵な笑顔でそう言った。



おまえまで『健ちゃん』言うなーーー!!

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