【SSS】シオの道草ブログ

☆シオ短編集☆【悠の詩】執筆開始...φ(・ω・*)

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漆黒の王女.111

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2016/11/10 22:12:34

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『あぐうぅっ、、、!』


サガンは刺された脚を抱えて、苦しげに床に転げた。

ガルバは言葉を発しない、失神したのだ。

ボウガンを思いきり振り上げた私は、その反動で貧血を起こして、目の前がぐらりと揺れた。


『シー、、、げほっ、シーナ』


サザンが喉元を押さえながら私へ駆け寄り、手を差し伸べる。

その手を私は取れなかった、腕が上がらない。

サザンは私のすぐ傍まで来ると、着ていたシャツの長袖をビリッと引き裂いて、それを小さく畳んで頭部の出血部に強く宛がった。

もう片方の袖も破って、宛がった布ごと私の頭にきつく巻いた。

単純な処置だけれど、これだけでも私の気は十分に休まった。


『、、、ぬおぉ、貴様ら、逃さぬぞ、、、!』


サガンが鬼の形相で杖を振り上げた。

が、矢の痛みがまた走ったのか、大きく身体が崩れ落ちて、その拍子に杖がカランと床を打った。

すると先端がポッキリ折れてーーーそこから炎がぼうっと噴き出した。


「『!!!』」


そしてそれは、床をあっという間に火の海にした。

窓から吹き込んだ風が、私を焼こうと周りに置いていた藁を全て撒き散らしていて、それに火が移ったのだ。

幸いにも私とサザンは風上に、窓を背にしていたので炎が飛んでは来なかった。


『ううう、くそっ、くそっ、、、!げほげほっ!!』


巻き上がる煙は全てサガン兄弟の方へ流れて、彼らにすると手も足も出ない状況に追い込んだ。

サガンの苦渋たっぷりの声を聞きながら、私ももうだめだ、と思った。私にはひとかけらも逃げる力が残っていない、、、



だけど、サザンがまだ諦めていなかったのだーーー



私の脇から手を入れて、肩に私の重みを乗せて、短く言った。



『行くよ。外へ出るんだ』

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