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カッコいいけど、恋には臆病な十和。ガサツで女の子らしくない一瑚。 双子の恋愛模様

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side Ichiko ♯25

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/11/08 17:47:09

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「だからみんなより、背高くて、頭いんですね」
「え、それはどうかな。もうこの年になると、
あんまり生まれ年って関係なくない?」

外国じゃ、スキップなんて制度もあるくらいだしさ。


と、先輩はつまらなそうに言う。


「病気って…もう平気なんですか?」

先輩、元気そうに見えるけど。

あたしが聞くと、先輩はふわって笑う。

「うん、平気。…普通にしてる分にはね」

『普通』ってなんだろ。
よく聞く言葉だけど、りょーちゃん先輩が使うと、
その言葉は特別に思える。


「…普通じゃない分って?」
「そこ、突っ込む? いっちゃん」
「気になっちゃって」
「ん~、いっちゃんのバスケみたいな全身有酸素運動。
マラソンとか水泳とか」
「体育の見学が多いのって、それで?」
「うん、そう。あとは――」
「セックス…とか?」

あたしが出した例えに、りょーちゃん先輩は驚いてこっちを見た。


「…香織さんが心配してたから…」
「俺がいっちゃんに、そういうことしてないか、って?」

こくんと頷くと、先輩はひとつ大きく息を吐き出した。


「あいつ余計なことを…
いっちゃんとはそういう関係じゃないのにね」


それから、ちょっと腰を屈めて、あたしの顔を覗き込む。

いつもは15センチ以上上にある先輩の顔が、近い。

大きいけど丸くて、まつ毛が長くて――優しい目。
そんな目で見ないで、先輩。


「ごめんな、いっちゃん」

先輩が何を謝ってるのか、もうあたしにはわからない。


香織さんのこと?
『そういう関係』になれないこと?

あたしに――嘘ついてる、こと?


「俺の我儘だけど…もうちょっとだけ、傍にいて…」

ふっと降りてきた先輩の大きな手は、
あたしの前髪1センチのとこで寸止めされて止まる。


――先輩、元カノなんていないですよね…?


縮まらない距離。
聞けないままの問い。



それでも…傍に、いたい。

これは、あたしの我儘。

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