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漆黒の王女.110

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2016/11/10 10:28:55

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窓の外を見ると、さっきは月明かりが差していたのにすっかり暗くなっていた。

厚く黒い雲が空を覆い、風が唸り、ゴロゴロと遠くで音も鳴っている。

吹き込んできたその風は湿気を含んでいて、ガラスの屑を飛ばして私達の肌を傷つけた。


『うぬぅっ、、、』


サガン兄弟がしきりに目を擦る、私とサザンを締め付ける力がふと抜けた。

その隙を狙って、私達は脱出を試みた。


『逃すか、、、っ』


彼らは目を細めながら体勢を整える。


『、、、っ、げほっ、、、』


喉を強く押さえられているサザンが、何か言おうとしていた。

サガンはそれを見て嫌らしく笑い、


『くっくっ、、、冥土の土産に何か言い遺すか、、、?』


さも同情の姿勢を見せつけて、サザンの口元に耳を寄せた。

それにより、杖がサザンの喉から少し浮き上がり、サザンは潰れた声を少しだけ出せた。





『、、、あ、あんた達が、城の運び屋なんだろう、、、?



森の、、、おばあ、さん、、、



、、、心配してる、、、



、、、伝えて、くれっ、、、てさ、、、』



『ーーー』



サザンのこの言葉に一体どれだけの力があるというのだろう、サガン兄弟が明らかに動揺を見せたのだ。

そして、まるで彼らの今の心境を例えるように、ピシャアン。

雷光が降り注ぎ、ズドンと衝撃が走った。

こんなに大きな城が地震の様に揺れて、バリバリと空の割れる音が耳をつんざく。

その拍子に、サガン兄弟は私達の身を離した。

これが絶好の瞬間で、見逃してはいけない、生と死の分岐点だった。

私とサザンは同時に思ったに違いない。


今、やらなくては、、、!



『ーーーぎゃああぁ!!』



サガン兄弟の悲鳴が、吹き込む風と共に、この書斎の空間に渦巻いた。



私はサザンのボウガンの弓を拾い上げてガルバの脳天に強打し、



サザンは握っていた矢の束をサガンの太ももに突き刺したのだ。

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