ウイスキーの香り

【名前と年齢フェイク】 私:憂汰(ういた)と彼:琉翔(るか)の日常*愛するのは貴方

  • 記事数 20
  • 読者 7
  • 昨日のアクセス数 18

あなたのため、なのなら

しおりをはさむ

2016/10/31 03:27:48

  • 1
  • 0

2週間ほど、バイト以外で琉翔には会えなかった。
忙しいもんなー、けれどまぁ、私もテスト期間だったからお互い様か。そんなことを思いながら、電車に揺られている。
琉翔は朝イチの講義だけということなので、また電車で、待ち合わせ。でも最後のLINEは朝で、何時の電車に乗るから、何両目にいて。なんてものだけ。なんかちょっと、様子がおかしい。ここ最近そうだ、あいつのことだから、絶対自分から弱音を言わない。私も聞き出すのは下手という、フルコンボ。
ゆっくり様子を、見てからにしよう。少なくとも怒ってはいないな、怒っていたら会わないもの。
電車が、琉翔が乗り込んでくる予定の、駅に着いた。言われた通りに、指定の車両で待っているが、琉翔は乗り込んでこない。ホームにも、見当たらない。
別な車両から乗って、こっちに来るのかな?のんきに考えていたけれど、結局、琉翔は終点に着くまで、現れなかった。
駅に着いてもどこにも見当たらないし、心配になってLINEをしても、既読がつかない。時間を間違えたかな、と思って確認したが、間違いはない。一体、どうしたのだろう。
駅前のベンチに座って、琉翔からの連絡を待った。
でも……30分経っても、1時間経っても、連絡はなかった。
ずっと琉翔とのトーク画面を開いたままなので、スマホの充電も、減りが早い。相変わらず既読はつかないし、Twitterにもいる様子はない。
泣きたくなってきたなぁ…今まででこんなこと、なかったのに。もしかしたら、ブロックされてるのかな。いや、ホームは見れるし、違う。
結局、2時間と30分が経ってしまった。
寒い…凍えそうな季節だし、外で待っているなら当たり前だろ、なんてつっこまれるのはわかってる。コーヒー店に行こうかと考えたけど、心配で余裕が無い。
涙目になってきた…鼻水も出てきた…何やってんのあいつ。
その時、メッセージに既読がついた。生きてた!と、思っていたのもつかの間で、返信がきた。
[ごめん、今起きた]
大学は休んだのね…。
[うちまで来れる?]
これから向かうよ、と連絡をいれて、琉翔の家に向かった。寝坊か、忙しくて疲れてたのかな。おやつかなにか買って行こう。
寝坊かよー…心配して、かなり損したじゃないかぁ。寒いし。コンビニでお菓子と飲み物、自分の分のホットドリンクを買って、バスに乗った。

琉翔の家に着いて、チャイムを押すと柴犬のモフが吠えた。すぐに琉翔は出てきて、おはよーと眠そうに言った。
『ごめん…。』
「大丈夫よー、スタバいたから。」
ご飯食べるから、と、琉翔は何か作っていた。その間、私はモフと戯れて心がホクホクしていた。モフは柴犬のくせに、ご主人じゃない私にも忠実になっていた、まぁ、嬉しいんだけど。
『うい、食べる?』
「食べるー!」
『あったまりな、コーンスープだけど。』
琉翔は私の頬をむにっとつまんで、引っ張った。
「いひゃい。」
『こーんな冷たくて、鼻も耳も赤いくせに、何がスタバにいました、ですか。』
「ごめんなひゃい、うひょつきまひた、おそといまひた。」
『そこは……ごめん、でもせめてコンビニとか温かいところにいてよ。体弱いんだし、風邪ひくよ?』
「きをひゅけましゅ。」
そのまま抱きしめられ、キスをした。ご家族はいないと言えど、リビングで、足元にはモフが寝転んでいるのに、誰か帰ってきたら…なんて、考える余裕も無くて、それくらい熱いキスだった。
琉翔は奥手…奥手過ぎて底が見えないくらい、奥手。だからそんな琉翔が、自分からこんなに強請るなんて珍しい。
今日は、きっと何か違うんだ。
「る…る、か……?」
『シゲゾーさんがさ、ういは…きっと、強引なのが好みだろうって。違う?』
「あのおっさん……女子のどこを見てるんだ…。」
『違うの?』
グイグイと迫ってくる琉翔に、テーブルに押し倒されて、ちょっと興奮したが、怖くもあった。
「違くない。けど……。」
怖いのは、もちろん、トラウマがあるから。けれどそれも、琉翔のお陰で乗り越えられそうだ。しかし今は、どこか恐怖を感じる。琉翔にそんな感情を持つなんて、初めてだ。
『合ってるんでしょぉ?』
目が、怖い。
琉翔の手が、私の体に触れる。身体中をまさぐって、琉翔の手は下へと、辿る。服の上から、下着の上から、そして直接。
自分自身の性的な癖よりも、恐怖心が勝ってしまった。自然と、涙が溢れてきたけれど、ここで泣きたくなかったのが、理性を保つために働いたんだと、今なら思う。
「琉翔……やだ…。」
『……。』
「ねぇ…る、か……嫌だ……。」
指が中へと入ってきて、その快楽に委ねてしまおうと、一瞬だけ思ったが…やはり、そこまでの余裕なんて私には無い。
無言で、息だけを荒くする琉翔に、耐えられず…ついに涙がこぼれた。
「嫌だ…琉翔、琉翔のこと嫌いになりたくない…。」
『……うい。』
「何かあったんでしょ?だから…確かめたいんでしょ?」
『……。』
「私の、想いとか…確かめたいんでしょ……?」
『ごめん…。』
「こんな風にしなくたって、わかるじゃん…寒い中、何時間も嫌いな相手のこと、待つと思う?」
ゆっくりと私を抱き起こして、琉翔は、泣いた。
『ごめんね…ただの、八つ当たりかも…しれない。』
乱れた服と、髪を、そっと直してくれた。
『親と上手くいかないし、卒業後のことも全然…ダメだし…憂汰も、離れていくんじゃないかって。』
「大丈夫、私はどこにも行かないし、琉翔の傍にいるよ。ずっと。」
『ごめん……愛してる、心から。』
「うん。」
その後は、琉翔の部屋で2人で昼寝をした。温かいスープは冷めてしまったけれど、心は、ホクホクだ。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

12/7 編集部Pick up!!

  1. どうして無痛分娩を選ぶのか
  2. 実家が貧乏で彼を呼びたくない
  3. 整形手術を良く思わない理由は

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3