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卒業後の千晴と藤田先生編

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/19 12:01:39

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遥。

きれいな名前だなあ。
掴みどころのない彼の雰囲気を表しているような、そんな名前に思える。


遥のこと、身体だけじゃなくて、どんな事を考えているのか、何が好きなのかとか、たくさん知ってみたいけど、知りたくないようなことまで知るのが怖くて、何も聞くことができなかった。

臆病者の私は、彼の腰に回している手にぎゅ、と力を込め、細身だけど女子よりは広い彼の背中に頬を当てる。


この人を独り占めしたい。
飽きるほど、好きだって囁かれたら、私一体どうなっちゃうんだろう。



やがて自転車は家についた。

「ありがとう、遥…」

お礼を言うのと同じぐらいに遥のスマホが鳴り出し、挨拶もそこそこに彼は着信に出てしまった。

「ああ、今から?いいよ」

相手は誰だか知らないが、タメ口ということは小林先輩ではない。

…もしかして結愛ちゃん?
そう気付いた途端に、心が嫉妬で掻き乱される。

さっきエッチしたのに、遥はまたこれから他の女の子を抱くの?


通話が終わり、遥はスマホをポケットに入れた。私は、詮索心を抑える事ができずに、鞄を抱きしめながら尋ねてしまった。

「どこ行くの…?これから」

「あー、ちょっとな。じゃ、また明日、学校で」

あしらうような返事をされ、遥は急ぎ足で帰って行った。




どこ行くの?私には言えないような人と、会うの?
胸が痛くてつぶれてしまう。

生まれて初めての嫉妬は、自分自身を丸ごと焼き尽くされてしまいそうだった。




家に入ると、義父が玄関に立っていた。

「あ、た、ただいま、お義父さん…」

「おかえり。今の男の子は誰?」

――見てたんだ、お義父さん…


「家の前で、うるさかった?ごめんね。あの子は、と、友達だよ」

私が嘘を吐こうとしているのは明らかだったようで、義父は短くため息をついた。


ああ、言われる。
また、卑猥な事を言われる。

こわい、

ぎゅっと目をつぶって、次の言葉を待ち構えていると、義父は何も言わずに居間に戻って行った。

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