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Fictions

東野君のオフィスラブ。

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/17 22:17:29

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体育館裏から校舎に戻り、上靴に履き替える。
雨に濡れた足を上げてハンドタオルで拭いていたら、村上先生が通りかかった。

「何て格好してるんだ」
目も当てられないと言う口振りで、私の足を下ろさせる。
不機嫌な表情は益々苦々しい顔へと変わる。

「……、その臭いは何ですか」
先生は、煙草の臭いを指摘した。


「私は吸ってないよ、近くで吸ってる人がいたから…」

「お義父さん?」

先生からすぐに義父の名前が出て驚いた。
昨日の話を、私のプライベートを、先生が気に掛けていてくれている。

私を、本当の意味で心配してくれている大人の人は、村上先生だけかもしれない…

「お義父さんじゃないよ。昨日は大丈夫だったから…」

「…そうですか。体調は?」

「もう元気だよ」
と微笑んだら、先生はフッと苦笑した。


「観測会の承諾書はもらえた?」

「お母さんに書いてもらえました」

鞄から用紙を出し、村上先生に渡した。…わざと、指に触れるようにして。小娘の拙い愛情表現だ。

村上先生は、昨日のような困惑は見せず、「確かに受け取りました」と言った。

大人の男の人は、簡単には表情を崩さない。

「また遅刻になりますよ。急いで」

時計を確認すると、休み時間ももう終わりそうで、走って教室に向かった。


私の席には、東野君がいた。男子数人で固まって、楽しげに話している。

「おはよ、東野君」

「あ、おはよ!体調、戻ったの?」

「うん。昨日はありがとう。先生呼んできてくれて…」

「元気ならよかった。ちょー心配したよ」


東野君としゃべっていた男子たちが、意味ありげに私と東野君から離れていく。

「ごめん。私、邪魔しちゃったね」

「ううん、そんなことないよ。あいつら、いらねー気利かせてんだよ…」

キラキラした瞳を私に向けて、照れたように笑う東野君。
本当の私を知っても、そんな表情を見せてくれるのかな。

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