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Hypnotic

17歳の寄り道。

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/17 22:01:11

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小林先輩は、ポケットからまた煙草を取り出した。
先輩が手にしている青いソフトケース。

「煙草っておいしいですか?」

「は?」

「ちょっと見せて下さい」

先輩の手から難なく取り上げ、銘柄を確かめた。

深めの青を基調としたそのデザインは、ザ・日本の煙草。誰でも名称を知っているスタンダード。
悪ぶってるわりには王道の銘柄を選択している事に、一種の親しみやすさを感じた。


「碧ちゃん、吸いたいの?」

「いえ、いらないです。先輩ってA型ですか?」


その銘柄だからと言って、血液型が確定できる根拠にはならないのだが、何となく尋ねてみる。


「え?そうだけど、何だよ?」

当たった。
途端に、よく巷で言われがちな血液型のイメージが浮かび、ふふっと笑った。

「碧ちゃんは何」

「私は、半分先輩と一緒です」

「AB?」

「当たりです」

「結愛と一緒…。遥はBだよ」

それもまた、イメージ通りで吹き出した。


もうすぐ1時間目終了のチャイムが鳴る。ソフトケースを先輩に返して立ち上がり、スカートをはたいた。
先輩はもう煙草を吸う事はなく、ポケットに戻した。


「碧ちゃんは変わってんね」

「…そうですか?」

「ああ。俺にも物怖じしねぇし、普通逃げるだろ。喫煙現場に居合わせたら停学くらうぜ」

「そうですね。次から一緒にいる時は吸わないで下さいね」

「図太い女」

先輩は私をそう評した。



いつも笑顔で、波風立てずに明るくニコニコ。それが普段の私。
でも本当は、図太くて、自分の欲望に忠実だ。

浅野君や、小林先輩は、そんな本当の私を見抜いている…

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