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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/18 20:41:33

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「…千幸?」

千幸の姿を見た時は、みんなが目を丸くした。


僕は…塾で勉強中だったが、塾長から呼び出されて…即祖父の家に連れてこられた。

そして…

『千幸が誘拐された』と…

祖父に打ち明けられた。


走馬燈のように、千幸の短い人生が頭の中を駆け巡った。

千幸は三学期は少しだけ成績が上がって、祖父からも『まだまだだが、この調子で頑張れ』なんて言われて…

次男は得だよな…成績が少し上がったぐらいで頭を撫でられて…

なんて、やっかんだ。

…小さな事でやっかんだ自分を恥じた。

千幸…

誘拐だなんて…!!


後悔しきりでうなだれている所に…

「なんでみんなこっちに?泊まりに来るなら早く言ってくれなきゃ、僕だって予定があるのにさ。」

万が一の事を思って自宅前で待機してた祖父の運転手が、千幸を乗せて屋敷に来た。


「千幸!!」

「二番目兄ちゃん!!」

みんながそれぞれそう言って、千幸に抱き着く。

「え…っ、ええっ?何…」

運転手は事情を話してなかったのか…


祖父は篠田さんと運転手とで、コソコソと何かを話してる。

「千幸…今までどこへ?」

祖父が低い声で千幸に問いかける。

「え?あー…映画に…」

「映画?」

「うん。チケットもらったから。」

「……」

祖父は今度は自分の隣に座らせてた千里に。

「千里。千幸は…跳び箱のある部屋で、寝てたんだな?」

目線を合わせて問いかけた。

「う…うん…」

「千幸の顔を見たか?」

「……ううん。だって…背中向けてたから…」

「……」

みんなが大きくため息をついた。

「だけど…一緒にいたお兄ちゃんが、『千幸くん、あんな所で寝てるねえ』って…それで、『おうちの人に教えてあげないと、千里君じゃ助けてあげられないかも』って言われて…」


篠田さんが幼稚舎の体育倉庫に張り込んでいた祖父の家の警備員に確認した所…

誰の出入りもなかったにも関わらず、現金はなくなっていた。

そして、千里が千幸だと言われて信じたのは…

背格好の似た、よく出来たマネキンだったらしい。


結局祖父は警察にはこの事は告げなかった。

帰国した両親は、金なんてどうでもいい。と、屋敷にたどり着いた時は、僕達一人一人を抱きしめてくれた。

特に…千幸と千里は、長く抱きしめられてた。


それからというもの、しばらくは祖父の屋敷で過ごす事になった。

僕は毎日祖父と顔を合わせるのがストレスで…

それは三男の幸介も同じだったようで…

そんな僕らに押された形で、千幸も含めて…僕ら三人は自宅に戻ることにした。

千秋と千里は祖父の家に残り、千里は…桜花の幼稚舎から、祖父の屋敷から近い一般の保育園に通う事になった。


ただ、屋敷から近いから。

そう思ってた僕は…

千里が、千幸の誘拐(されたなかったけど)事件の後…

桜花の幼稚舎に行くと…怯えるようになったからだっって事を…

随分後で知らされた。

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