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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/18 13:54:11

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「ちー!!」

「……」

「ちー、おい!!ちー!!」

「……」

「ちーってば!!」

「………なあに…?」


さっき部屋にいなかったから、慌てて幸介とハチさんとで、ちーを探しに行くと…

ちーは、公園のベンチにいた。

今まで一人で公園になんて行った事なかったのに。

「一人で来たんですか!?」

ハチさんが、鬼の形相でちーに詰め寄る。

だけどちーは座ったまま、ハチさんをボンヤリ眺めて。

「……」

無言。

「…ちー?どうした?」

ちーの向かい側には、ハチさんがしゃがんでて。

ちーの両肩に手をかけて…心配そうに見てる。

僕はちーの隣に座って、そのハチさんの手に重ねるようにして…肩に手をかけた。

幸介は…ちーの少し後ろに立ったまま、傍観してる。

「何があった?僕に話して?」

ちーの肩を少し揺さぶって問いかけたものの…

ちーは相変わらず無言。

「…とにかく、おうちに帰りましょう。」

ハチさんはそう言うと、ちーの腕を引くんじゃなくて…抱きかかえた。

それには僕も幸介も、少し驚いた顔をした。

だって…ちーは五歳。

あと二ヶ月もしたら六歳になるのに。

僕たち兄弟は、五歳の誕生日を迎えて以降、誰にも抱っこなんてされなかった。って、ずっと前に長男の幸太が話してるのを聞いた。

それを聞いて、幸太は欲求不満なんじゃないか?って思った事がある。


僕は卒園と同時に、兄達を『兄ちゃん』と呼ぶのをやめた。

少々偉そうだが、名前で呼び捨てている。

なぜかと言うと、ライバル宣言だ。

初等部に入るんだ。

これからは、堂々と遠慮せず、兄達を追い越すぞ、と。

悔しかったら、僕と対等になればいいだけの話だ。

幸太と千幸は笑って許してくれたけど、幸介は面白くなさそうだった。

負けず嫌い同士であり、生意気者同士。

僕にはその自覚があるが、幸介にはないと思う。


ハチさんに抱えられて家に帰ったちーは、ソファーに座らされて。

そんなちーを振り返りながら、ハチさんが。

「坊ちゃまを見ててください。」

って僕と幸介に言った。

「…うん。」

僕がちーの左隣。

幸介が右隣に座ると、ちーは。

「…眠い…」

そう言って、幸介の膝に頭を乗せて横になった。

「……」

「……」

いつもなら…それは僕の膝に決まってるのに…

選ばれた幸介は少し得意気な顔になって、僕はあからさまにカッとなって唇を噛みしめた。


ハチさんは誰かに電話をしていたようで、廊下から早口な声でのやりとりが聞こえたが…

…なんで幸介に…

そう思ってた僕に、その会話は入って来なかった。


やがて、祖父の家から迎えの車が来て。

「さ、坊ちゃま達、乗って下さい。」

僕らは…祖父の家に連れて行かれて。

「何があった。」

明らかに仕事場から急遽帰って来た風な祖父の厳しい口調に、さすがの僕も何も言えなくなってると…

「…じーちゃん…二番目兄ちゃんが…」

ちーが…

信じられない事を言った…。

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