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花嫁と祓魔の騎士 ⑦

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テーマ:小説 > 官能小説

2016/10/14 03:59:55

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俺は空っぽだ。
何も希望もないし、
これからの未来も見えない

ただひたすら、
目の前に迫る敵と戦って死ぬんだ。

でも……

ハル
お前は
変わったんだな…











花嫁と祓魔の騎士 ⑦




アンネは目を伏せながら、
ハルに向かって謝っていた。


ハルはゆっくりとアンネに近付き、
膝を折ってアンネの顔を覗き込む。


「いや、謝るな。
俺の詰めが甘かったんだ。
一人きりにして悪かった…。
…泣いてるのか?」


「なっ、泣いてませんわ!
で、でも…。
ハル、ごめんなさい。
その腕の傷、悪魔にやられたのでしょう?」


アンネは慌ててゴシゴシと顔を拭って、
心配そうにハルを見つめる。

ハルの腕からは、蹄の様な3つの切り裂かれた痕が、赤く痛々しく血を流していた。


「こんなの、エクソシストには付き物だ。
何も問題はない。フツーだ」


ハルは、穏やか表情を浮かべながら、
アンネの髪に触れて、
その滑らかな感触を楽しんでいた。


ハルの、〝愛しくて愛しくて、たまりません〟
と書いてあるかのような表情に、
俺は複雑な感情を抱いていた。






ハルがこんなに感情を出している所は、
ヴェールマン家に来てから1度も見た事がなかった。



厳しいエクソシストとしての修行の中、
俺たちはただ無我夢中で目の前の課題に挑み、
魔力を高めた。


俺にとっては、
ただの生きる手段ーーーーーーーー。







そう言えば、
ハルは1度だけ、
修行に耐え切れず逃げた事があった…。




ーーーーーあれからだ。

連れ戻されたハルが、
まるで別人のようにエクソシストの修行に励んでいたのは。

ただ絶望していた、あの頃とは違う。
魂の輝きを感じていた。





俺が考え事をしている間に、
ハルとアンネは何時もの痴話喧嘩を始めていた。



俺はゆっくり2人を眺めて、
フッと口元を緩ませる。




ま、いーか…。


ヨハンは、顔についていた泥を落としながら、
ふと胸元にレースのあしらわれた淡いブルーのハンカチを見つけた。

悪魔を倒す前にアンネから渡されたハンカチだ。
ヨハンは、昼間のやり取りを思い返していた。


その時は結構ピンチだった。
ハルは熱で倒れ、意識不明。

何処かにあるであろう
召喚の魔法陣からは、
おびただしい数の悪魔が次々と溢れて来て、
俺の魔銃では撃っても撃っても埒が開かなかった。


俺はたまに、
まるで自分の事が他人事の様に感じて、
投げやりになる時がある。


その時も、
変な諦めと共に、隣で鞭打つ彼女に言ったのだ。




『俺と心中してくれる?』




本音だった。
笑い半分でいえば、本気も本音も冗談になる。

アンネは、哀しそうな顔を見せた後に、
ゴソゴソと自分のポケットを探って、
俺に渡して来た。




『このハンカチはお気に入りですの。
必ず、返してちょうだいね。
約束よ、ヨハン…』




アンネの、優しくて柔らかくて、
でも意思のこもった瞳ーーーーーーー。


気が付けば、
俺は、その瞳にとらわれていた。










そんな事をボンヤリ思い返していたら…



「それ、何だ?」


痴話喧嘩をしていたはずのハルが、
俺の持っていたハンカチをみていた。




続く

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