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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/16 18:19:44

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僕の名前は神千秋。

四歳です。

五人兄弟の四番目です。

内訳は、頑張ってる大きい兄ちゃん、少しバカだけど優しい二番目兄ちゃん、ひがみっぽい真ん中兄ちゃん、そして僕…と。

一つ年下の、まだまだ赤ちゃんだなあ…って呆れてしまう弟の千里。

まあ家族は選べないからね。

お金持ちなのはいい事だし、両親も美男美女だし、真ん中兄ちゃん以外は好感の持てる家族だと思う。

あ、あとは…おじいちゃんが政界の人っていうのは、将来とても役立ちそうだなあと思う。

まだ四歳の僕だけど、自分が同じ年の子達と全然違うのは分かってる。

だって、兄達の教科書を見たけど…もう笑いが出ちゃうね。

あーあ、僕、初等部行かなきゃいけないのかなあ。

同じ年の子達との付き合いもあるから、来年から幼稚舎には入るんだけど…

お絵描きとかお遊戯、お歌の時間っていうのは…

勘弁して欲しいな。


「千秋、おいで。」

三日ぶりにお母さんに会った。

千里はお昼寝中。

兄達は学校。

これはー…僕、もしかしてお母さん独り占め?

「……」

でも、僕は千里のお兄ちゃんだからなあ…

千里が寝てる間に、自分だけ甘えるって…

少しモジモジしてしまうと、それに気付いたのか。

「千秋、誰も見てないからおいで。」

お母さんは小さな声でそう言って、僕に両手を差し出してくれた。

「……」

そこまで言ってくれるなら?

行ってあげてもいいけど…って感じで。

僕は両手を後ろで組んで、ゆっくり…お母さんに向かって歩いて行った。

「会いたかったー。」

お母さんがそう言いながら僕を抱き上げて、膝に座らせたと思ったら…ギュッとしてくれた。

…お母さんの匂いだ。

お母さんの匂いって言うのは…

Wレディっていうブランドのコロン。

柑橘系の、だけど少し甘さを感じさせる上品な香り。

家にいる時ぐらい、洗濯物の匂いとかさ…僕はそういうのがいいなって思うんだけど。

こういう事を言うと、きっとお母さんショックだよね。

僕だって子供だけど気を使ってる。

忙しいお母さんが…少しでも僕達に『ざいあくかん』を持たないように…って。


「千秋、イタリア語の勉強も始めたんですって?」

お母さんが僕を抱っこしたまま体を揺らせるから、つい…親指をくわえてしまった。

いけない…これは赤ちゃんがする事なのに…

でも…眠いなあ…

「うん…僕…いつでも…イタリア…行けるように…」

「……」

「お母さんと…一緒に行けるように…」

「…いい子ね、千秋…」

「……すー…」

Wレディのコロンは仕事をするお母さんみたいで好きじゃないのに。

お母さんの膝は僕を簡単に寝落ちさせる。

僕は頭が良くて、兄弟を少しバカにしてるけど…

…まだ…お母さんに…甘えたいんだよ…。

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