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ユキさんのブログ

エンディング♪世界が終わるまでは〜♪のとこをYSB登場選手に置き換えると萌えてしまう

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高校3年生 扶養家族

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/14 16:13:17

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「涼太!」

駅のベンチで待ってた涼太は
顔を上げて本を閉じた

「お待たせ~カズくんまだ?」
「送ってもらうって言ってたけど」
「何読んでるの?」
「あるアパートで住人が部屋順に謎の死
 その真相を最後の部屋の人が
 必死に解く推理小説」
「面白い?」
「そりゃ最後の部屋の人必死になるよな」
「引っ越せばいいじゃん」
「……まぁね」

なんて書いてあるかわからない涼太の手に持たれた本は
本を楽しむよりも言葉を勉強してるのがわかった


「お待たせ~!」

大きく手を振りながら来るカズくん

「カズくん!」
「わ!かな可愛い!」
「ほんと?」
「うん!」
カズくんは私を全体的に見た

「何でそんな身軽なんだ…」
「先生が持ってくるもん」
2人とも大きなバッグを斜め掛けに持っていた
同じようなデニムにパーカーでスニーカーで

ここからJRで2時間
時間はまだ7時
涼太は小説の続き
カズくんは数字の並んだ参考書
涼太の荷物を枕に私は…zzzz

「かな、つくぞ」
「ん…」
「本気寝だったな」
大きなホームに急行電車は入って
半分寝てる私を涼太は引っ張り降ろした

ここはいつもの新幹線の駅
ここから何度も甲子園に行った
いつも買い食いは禁止されて通過するだけだったこのいい匂い
「肉まん食べたい!」
「いいね~」
「ハンバーガーうまそ」
「でも大阪でお昼食べたいよ?」
って言ってるのに
「大阪つくころには
 また腹減るから安心しろ!」
2人ともハンバーガーを買って
「結局かなが食べるんか…」
「ひと口!」

新幹線の景色は何度も見た景色
だけど甲子園に行くときの気分とは
全然違った
気の抜けた柔らかい顔で笑う涼太
甲子園に行くときは
戦場に向かう顔だったから

「かな大丈夫か?」
新幹線に座ったら涼太が聞いて
「具合悪い?」
カズくんが聞いた
「全然大丈夫!何ともない!」
不安な長距離
平気なのはきっと
「夜には先生来るもんな」
「ホント腹立つなあの人」
カズくんは笑いながら言った

「最初どこ行く?」
「カズこの前の旅行は大阪も見た?」
「いや、通過しただけ」
「俺大阪城行きたい
 5回も大阪来てるのに一回も行ってない」
「あれは?水族館」
「1年のセンバツの帰りに
 大道も行ってたじゃん」
「カズまだいない」
「あそっか」
「かなは?どこ行きたい?」
「大阪着いたらとりあえず市立病院」
「……はい?」
「ハモらないで」

で、新大阪駅に停まる新幹線

手慣れた私たちの歩み

「あ」
「バスがいるわけないな」
「どうやって行く?」
ってなんか乗り場のいっぱいあるバス停とか地下に入る階段とかズラーっと並んだタクシーとか
「全然わかんない」
「確かに」
「かな診察券とかないの?住所は?」
「ない!」

「あ!」

「なんだよ」
「ビックリした」
「あれ乗ろう!たぶん近くに行く!」

行き当たりばったり
バスに乗る田舎者の私たち

「ほんとに行くのかよ」
「料金わかんないね」
「料金上がって行くアレがないな」
ってたぶん挙動不審な私たち
「どこで降りても200円ですよ」
前に座っていたおばさんが振り向いた
「降りるときにあそこに入れるの」
「そうなんだ、ありがとうございます」
その時、気の利くこの男は
「市立病院ってこのバスで行けますか?」
「ええ、真ん前で停まるわよ」

大都会にも親切な人はいるもんだね
※いますよそりゃ

そのおばさんは降りるときに
「あとそうね…5つくらい先だと思うわよ」
って教えてくれた


「かな、何でこのバスってわかったんだよ」
「ん?だってね」
「だって?」

「大阪昇聖行きだったから」

「は?」
あの時
病院帰りの駅で会ったんだもん
昇聖の真っ赤なジャージ軍団に
だから近くかなって思った

だんだんと見覚えのある景色
先生と少し離れて歩いた歩道
窓の外に市立病院の古い建物が見えて来た

『ツギハシリツビョウインマエデス
 オオリノカタハボタンヲオシテ…』

ブーー

「ピンポンじゃなかった」
「ブーの方が都会っぽい」


少し広い歩道
綺麗に花の植えられた正面玄関に続く道
ちょうど診療時間が終わった頃みたいで
待合室にはまだ患者さんが少し座っていた

「すみません」
「受付時間は終わりました」
冷たい
「約束はしてるんですけど
 精神科の椿先生…」
「あぁ診察室に通すように言われてますが
 保険証お預かりします」
手に握りしめていた保険証を冷たいさんは指差した
パソコンでカシャカシャしてなんか書いて
「どうぞ、あちらから
 二階に上がってください」

「二階だって」
2人とも立ち上がって階段を上がった

やっぱり迫って来そうな低い天井
これ苦手だった
椅子がズラーっと並んで
診察室って書かれたドアが沢山あった

『椿』

一文字書かれたドア

このドアを開けたら会えると思うと
笑いが隠せなかった

「喜んでる」
「ホントだ、ただの医者だろ?」


しばらく待ったら
「紫藤かなさんどうぞ〜」
看護師さんに呼ばれた

「紫藤かなさんだって」
「腹立つなあの人」
まだ言ってた



開けられたドアをくぐると
白衣の背中が見えて


「奏さん!」

なんでかすごく嬉しくて
ついつい感動の再会をしそうになって

「かな」
涼太がリュックを掴んだ


「やぁ…かなちゃん…いらっしゃい…」

「え…奏さん元気ないですね」
「そぉかい…?
 さっきまでは…
 元気いっぱいだったんだけどね」
「なんで〜?私は嬉しかったのに!
 奏さんに会えるのちょー楽しみだったよ」
「僕もだよ…マイエンジェ〜ル…」

「なんで…なんで…」

「泣いてね?」
「手ぇ震えてるぞ、医者」

奏さんは私のカルテを見つめて
いきなりそれを抱きしめた

「は?!」


「誰の扶養家族だよーー!
 名前変わってんじゃんか!!」



私は保険証を開いたとこの
扶養家族の欄が

悶えるほど大好物

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コメント30

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  1. ユキさん(32歳)ID:5413754・10/15

    マリオンさん
    涼太たちいた?!笑
    いいな大阪城付近なんですね〜♡
    ハマりまくってもらえてめっちゃ嬉しい(〃▽〃)

  2. マリオンさん(46歳)ID:5413716・10/15

    ユキさん。2度目まして( ᵕᴗᵕ )涼太クンの大阪城発言に思わずサイクリングに行っちゃいました( ´艸`)
    ユキさんのブログにハマリまくってます(//∇//)

  3. ユキさん(32歳)ID:5410907・10/15

    ケイトさん
    足しげく甲子園に通ったのにね笑
    ヒロリンに『う…強敵だ!』って思ったら先生の登場にポカーン(゚∀゚)なってそして今、保険証にとどめをさされた(;꒪ö꒪)笑

    やっぱ奏さんいいキャラだ♡
    いいポジション♡
    巻き返すのか否か笑

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