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恋〜いつか出逢ったあなた〜

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/13 10:52:06

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それからは…お父様が話して下さった。

二階堂で生まれ育ったおばあちゃまは、本当に…とても優秀で。

何をやってもトップクラス。

みんなの憧れだった…と。

天真爛漫なのは、昔からだったみたいで。

だから、当の本人は周りから憧れられてる事にも気付かずで。

時には、上の人達の度肝を抜くような事を平気でやってのけて。

実のところ…

優秀なのに、褒められることより、叱られたり呆れられたりすることの方が多かった…とか…


…おばあちゃまらし過ぎて…笑っちゃう…


「環の記憶が戻ってから、ずっとお話ししたいと思ってたんです。」

お母様が笑顔でそう言われた。

あたしから見ると、いつもクールな海さんのご両親。

だけど…おばあちゃまを前に、二人とも…少し目がキラキラされてるような…


「色々聞いてみるといい。すごく刺激を受ける。」

「環は去年あっちで、色々話を聞かせていただいたんでしょう?」

「ああ。かなり面白かった。先代も、さくらさんのおかげで復調されたし…」

その、お父様の言葉に。

「あ。」

あたしは、つい…大きな『あ』を出してしまった。

一斉に三人から見つめられて…

「あ…ご・ごめんなさい…」

小さくなりながらも…

「だから…おじいさま、あの時『さくらの孫か』って、さらっとおっしゃったんですね…」

いくら陸兄と麗姉が結婚したからって、あまり面識のないはずのおばあちゃまを『さくら』って呼び捨てにされた事…

ずっと『???』って思ってた。

あの時はどこかに引っ掛かっただけだったけど…

後から後から、その引っ掛かってた事が気になり始めて。

いつか…両親の事が落ち着いた頃にでも、聞いてみようかなあって思ってた事。


「…そ。あたし、昔…先代には、すごく助けてもらったから…」

おばあちゃまが、すごくしみじみとそう言った。

「あ、織さんが赤ちゃんの時の写真、見せてもらった事あるのよ?」

「えっ?」

「まだ産まれたばかりの頃の写真。織さんと陸さん…すごく可愛かった。可愛いから…先代は、お二人とは一緒にいられないって…」

「…そんな事を…」

「あの頃の二階堂は、本当に…危険な現場に出る事が多かったし、命を狙われる事も普通にあったから…」

「……」


まるで…

あたしの知らない人のようだった。

おばあちゃまが…まさか、あたしのおばあちゃまが、二階堂の人間で。

命を懸けて戦う人達の中にいたなんて…


「…二階堂で夢を持ったのは、さくらさんが初めてだったって聞きました。」

お母様が、少しだけ伏し目がちに言われた。

「んー…あたしには叶えられなかったけど、知花がすごいボーカリストになってくれたから…大満足っ。」

「え?おばあちゃまだって、すごいボーカリストじゃない。」

あたしは、おばあちゃまの手を握って言う。

「咲華…」

「だって、あたし…身体が震えちゃったよ…母さんのバックボーカルもだけど…『If it's love』…最高に素敵な歌声だったもん。」

「……もうっ。可愛いんだからーっ。」

おばあちゃまはあたしにギュッと抱き着くと。

「どうしよう。あたし、幸せ過ぎて…みんなに申し訳なくなっちゃう。」

お父様とお母様に…真顔で言った。

「ふっ…あっ…すみません…笑って…」

お父様は軽くふき出されたけど…

「いいんですよ…さくらさんは、もっともっと幸せになってもいいんです。」

とても…優しい顔でそうおっしゃった。

何だか、あたしまで…胸がいっぱいになっちゃう…

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