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Fictions

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/11 13:55:59

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浅野君が繋いでた手を離そうとしたから、いや、と首を振る。

私に触れていて欲しい。

「手つないでて…おねがい」

それだけ伝えて短く息をしていたら、浅野君は鞄を前かごに放り込み、もう一つの手で私の体を抱き寄せた。

「ゆっくり息吐いてみな。過呼吸になるぞ」

「か、過呼吸…?」

何だろう、聞いたことはあるけど症状は知らない。
次第に手が痺れてきて、息が苦しくなってきた。

こわい、こわい、苦しい、

浅野君の胸に縋り付いて泣きそうになっていたら、私の頬に浅野君の指が伝った。

思わず見上げたら、至近距離に顔があって、唇が目に入る。

吸い寄せられるように近づき、目を閉じたら、すぐに柔らかな彼の唇が私の口を塞いだ。

不安でいっぱいだったのに、晴れ間が広がるように熱いものがこみ上げてくる。

唇を当てているだけの長いキス。
繋いだ手が離れて、浅野君は両手で私を抱き、背中から腰まで撫でられた。

私も浅野君の背中に手を回して、ぎゅうっと抱きついた。浅野君の胸に押し付けている、私の胸が潰れてる。

唇が離れてもう一度重なった時、不安になるような息苦しさは消えていた。浅野君はそれを察したかのように、私の唇を軽くぺろっと舐めた。

びっくりして目を開けたら、浅野君が笑ってる。

「今舐めた?」

「うん」

浅野君はすっと体を外し、自転車のハンドルを握る。

「はー、ビンビンなんだけど」

「え?」

「さっさと帰って出したいから、早く乗って。送るから」

「う、うん…」


出したいって…ビンビンって…
そういうことだよね?


浅野君の後ろに跨り、腰に捕まると、自転車は進み始めた。

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