叶わない片思い。

結婚式前夜、私の片思いが始まった。

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/11 12:47:44

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最寄りの駅近くになり、道案内をしながら
自宅近くの公園に着く。

「ありがとうございます。送って頂いて…
このすぐ近くなのでココで大丈夫です」

「そう?夜道だから気をつけてね。
あ…。そういえば、お店の番号しか
知らなかったから、良かったら連絡先
聞いてもいいですか?」


「そういえば、私、藤原さんの名刺貰った
ままで自分のをまだ教えてませんでしたね。
えーと….」

携帯をバックから取り出し、
手帳のメモ欄に番号とアドレスを書いて
藤原さんに渡した。

「ありがとう。俺からもメール送るので
名刺のアドレスを登録しておいてください。」

「はい。じゃぁ…失礼します。
おやすみなさい」


会釈をして、車のドアに手をかけた。

「大野さん、今日は話してくれて
ありがとう。
何か困ったことあったらすぐ連絡して。
仕事以外でも暇してるから」

彼は優しい笑みで私の方を見た。
その柔らかい表情に胸がチクっと痛む。
…どうしてこんなに似ているんだろう。
笑った顔さえも…

「ありがとう、ございます。
またお店に来てくださいね。
会議の結果、また知らせて下さい」

私は自分を振り払うように
視線を逸らし、外に出て藤原さんを
見送る。


藤原さんは手を軽く振って車を走らせた。


道の先の角を曲がる車を見届けながら
息を吐く。白い吐息が寒い澄んだ
空気に溶けていく。


ゆっくり踵を返して
家路につく。
玄関の扉を開け、バックを置いて
ベッドにそのまま寝転んだ。

財布の中に仕舞った名刺を取り出して
藤原さんの名前を見つめる。

『困ったことがあったらすぐ連絡して』


憐れな女に見えたのだろうか?
それとも、ただの親切心なのか…



悪い人じゃない。
むしろ、すごく優しい。


だから余計に深入りしたくない。
隼人を重ねてしまうから


仕事モードの自分に集中しなきゃ。

名刺のアドレスを携帯に登録して
そのまま目を閉じた。

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