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カッコいいけど、恋には臆病な十和。ガサツで女の子らしくない一瑚。 双子の恋愛模様

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side Towa #31 彼女の事情

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/11 11:15:40

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納得行かねえよ。行くわけないじゃん。



「お前、それで…」

「あたしは、それでいいの。大丈夫なの。
だから…十和も、誰にも何も言わないで」

一瑚は、僕の追及を拒むように、家の中に逃げ込んだ。



「お帰り、一緒だったんだ」

僕たちを出迎えたお母さんは、気まずい僕たちの空気に
気づいた様子もなく、明るく言う。


「あーうん。途中で一緒になった」

「そっか。文化祭の準備大変そうだな」

リビングの時計はもう7時を回ってる。
キッチンでは、お父さんがフライパンで、何かを炒めてる。


「お母さん、私、先にお風呂入っていい?」

「いいけど、まだ沸いてないぜ」

「うん。いい。汗かいちゃったから」

「ご飯、あと5分くらいで出来るよ、一瑚」

「うん、あとで食べるね」


一瑚は、制服のまま、脱衣所に入ってく。
あからさまに僕から逃げてる。言い逃げかよ、上等じゃん。



「あんたたち、まだケンカしてんの?」

…見てないようで、ちゃんと見てる。
お母さんやっぱりスルドイ。



「け、ケンカってわけでは」

けど、さっきみたいな爆弾落とされて。
あまつさえ、誰にも言うな、って口止めされて。

僕はこの憤りもモヤモヤも、誰にもぶつけられない。


「一瑚ねえに彼氏出来たから、十和は面白くないんだよねえ」

僕の心を逆撫でしてきたのは、小生意気な百葉。


「うるさいよ、もも。そんなんじゃないって」

僕はお父さんの隣に立った。

「手伝うことある?」

「ん? あーじゃあ、スープあっためてくれる?
あったまったら、盛りつけちゃって」

コンロの火を弱めに掛けて、僕は4人分のお椀を用意する。


今日は牛蒡のポタージュとハンバーグと野菜のグリル。
このスープもハンバーグも、一瑚の好きなメニューだ。


「…ねえ、お父さん」

「ん?」

「好きになってもしょうがない人を、
好きになったこと、ある?」

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