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カッコいいけど、恋には臆病な十和。ガサツで女の子らしくない一瑚。 双子の恋愛模様

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side Towa #30 彼女の事情

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テーマ:小説 > 恋愛

2016/10/11 07:17:57

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一瑚と会長が付き合ってる。

一瑚から直接、宣言されたけれど、
そういえばふたり揃ってるところを見るのは、初めてだ。


同じペースで歩いてるだけ。
それでも、一瑚の彼を見上げる表情や、
一瑚に合わせて歩く会長の歩調から、
ふたりの親密な様子は窺えた。



「十和くん」

カコが、僕の名前を小さく呼ぶ。

邪魔しないであげなよ。カコの意図は嫌って程、汲み取れる。


「わかってるよ」

カコにぶっきらぼうに返事をして、
僕は歩くスピードを緩めた。


学校を出たときは、一瑚の姿は見あたらなかったんだから、
僕たちの方がペースは速い。
望むと望まざるに関わらず、このまま歩いていたら、
奴らに追いついてしまう。


ゆっくりになった僕のスピードに、
カコも合わせて、僕の隣を歩いてくれる。


結局、一瑚は家の近くの交差点で、
奥村会長と別れるまで、僕たちに気がつかなかった。

にぶ…っ。

どんだけ、隣の男だけ注目してんのさ。


「一瑚」

会長の姿が見えなくなるまで、その場に立ち止まって、
手を振ってる一瑚に声を掛けた。


「__っ!」

あからさまにびくっとなってから、
一瑚は僕たちを振り返る。


「十和…、カコも。お、お帰り。
も、もしかしてずっと後ろいた?」

一瑚の質問に、僕とカコは同時に大きく頷いた。


「声、掛けてくれればいいのに」

「やだよ。また、生徒会勧誘されるのゴメンだし。
ーーずいぶん、遅かったんだな」

「うん。生徒会手伝ってたから」

「お前、まだ役員じゃないじゃん。
公私混同だろ、そういうの」

「や、そうなんだけど。
あたしにも手伝えることあるなら、手伝おうかな、って。
それにね、文化祭の予算の割り振りとか、各教室の使い方とか。
今まで知らなかったこと知るの、
勉強になるよ?」

僕には会長が一瑚をこき使ってるようにしか見えないけど、
一瑚は前向きだ。
この分だと、本当に役員立候補するつもりらしい。


「文化祭、楽しみだね」

トゲトゲした会話しか出来ない僕を庇うように、
カコはにっこり笑って、そう言う。

一瑚もつられたように、ふわって笑った。


「うん。料理部、マカロン作るんでしょ?」

「そう。綺麗に発色させるの、難しいんだ。
あと形も」

「崩れやすそうだもんね。
お母さんも食べたい、言ってたから、
いっぱい買うね」

「うん。おすすめはピンクかな?」

女の子同士の会話を聞きながら、
僕は一瑚とカコの後ろについていく。


カコの家の前で、バイバイすると、一瑚の表情は途端に暗くなった。

そこまで態度変えなくたって、いーじゃん。
僕の何が、そんなに気に入らないんだよ。

そう、思って、先に黙って家に入ろうとしたら。

「待って、十和」

一瑚が、僕のブレザーの背中を掴む。

ぎゅって、一瑚の手のひらに、僕の上着が握られて、
背中にその熱を感じる。


僕に顔は見せないまんま、かすかな声で一瑚は言った。


「先輩。春になったら、アメリカ行っちゃうんだって。
だから春になったら、私は振られるの。
…納得行った?」

「……」

何、それ。

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