ブログランキング12

しのぶ

本当の愛は、与えるものでした。

  • 記事数 1015
  • 読者 1180
  • 昨日のアクセス数 27799

763 吹っ飛ぶ羞恥心

しおりをはさむ

テーマ:雑感 > 人間関係

2016/10/10 11:02:40

  • 106
  • 0

洋平がグラスをカチンと音を立てて合わせてから口に運んだ。

私もひと口呑んだらいつもとは違う刺激。

『ウォッカ?』

『うん、ストレート、ガツンと行きたい気分だ。』

『どうして?』

『前祝い。』

『前祝い?』

『面倒なのが通りそうだ。藤井が踏ん張ってくれた。』

『それはおめでとう。』

『それで、今度のことだけどな。
俺の携帯、今のは仕事用にして、入っているクライアントだけで、あとは拒否。新規は会社の電話で受けることにした。
個人の携帯をひとつ増やす。それをプライベートにする。』

『常に二台持ち?』

『ああ、今陽気、それほど珍しくはないがな。だから名刺も2種類作ることになる。』

『色々大変だね。』

『少しばかり有名人になったからな。ありがたくもないが。
それと、藤井が調べてくれたんだが、あの親子な、』

『のぞみさんとカナエちゃん?』

『店辞めたようだぜ。』

『ふ〜ん、どこへ行ったんだろう。』

『実家に帰るって言っていたそうだ。』

『帰りづらいんじゃなかったのに?』

『うん、それでも頼るのがそこしかなければ、なんとか折り合いをつけて、あと少しだ、子どもがもう少し大きくなれば、、その後の事もまた、なにか考えられるだろう。』

『ね、洋平、ある日突然、見知らぬ子からパパって呼ばれたらどう?』

『よせよ、身に覚えのない事は考えられない。
俺にはもしもなんてのはないから。』

『でも万全ではないでしょう?』

『おまえ、何言ってるのかわかってるのか?
返事をするとしたら、万全だ。それしかない。』

『万全に用意周到だって事?』

『よせ、怒るぞ。俺には目と鼻がある。確かなものを見て、慣れた匂いがなければ男には慣れないって事だから、よく覚えておけ、なんだっけ?
でれすけか?』

あははは、いつか言いたくて覚えていたのかい。

私が少ししつこかったのは、ちらりと見えた男のズルさえの仕返しみたいなものだ。
あの人を擁護するわけではないけれど、私なら決めさせてやるというのは屈辱にも等しい。
ダメなものでも、同等に扱って、後々、おまえが決めた事などとは言われたくはないのだ。

ふたりで見極めて、最上の決断だと思いたい。
縁があって情を交わせた相手なら、痛みも辛さも、亡くなってしまった後でも、分かち合える関係でいたい。

なんて考える私は、まだまだ甘いのだろうか。
可愛さ余って憎さ百倍なんて感情は、ありがたい事にまだ知らないので。

口に出さなくとも、相手の言葉尻で少し遊んでいた私は、かなりの量を呑んでいたようで、洋平には至極喜ばれる女になった夜だった、らしい?
量の過ぎたアルコールは羞恥心を吹っ飛ばしてくれるようだ。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

12/4 編集部Pick up!!

  1. 誕生日プレゼントは質屋の購入品
  2. 嫌いな友人から結婚式の招待
  3. 義母からのLINEが気持ち悪い

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3